金壺眼[語句情報] » 金壺眼

「金壺眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金壺眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
ょ》全体を驚《おど》ろかした議論の相手の山嵐の方がはるかに人間らしい。会議の時に金壺眼《かなつぼまなこ》をぐりつかせて、おれを睨《にら》めた時は憎《にく》い奴だ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
絵に出た芳年の画いたんで、鰐鮫を竹槍で突殺している、鼻が柘榴鼻で口が鰐口で、眼が金壺眼で、えへゝゝ御免ねえ」 侍「怪しからん事をいう、人の顔を讒訴をして無礼至極....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を挙げて彼の脛を窃と撫でて彼の注意を牽いたのである。此犬はあまり大きくもないが、金壺眼の意地悪い悪相をした犬で、滅多に恐怖と云うものを知らぬ鶴子すら初めて見た時....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
トの中で目をさましはしなかったろう。とにかく氏は警笛の異様なる響に夢を破られて、金壺眼をこすりこすり玄関先まで出てみたところ、そこにふらふらになって倒れている夫....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
に、 「何だい、死骸か。」 「何だ死骸か、言わっしゃるが、死骸だけに厭なこんだ。金壺眼を塞がねえ。その人が毬を取ると、三毛の斑が、ぶよ、ぶよ、一度、ぷくりと腹を....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
方へ衝と身を引く。 白粉のその頸を、ぬいと出額の下の、小慧しげに、世智辛く光る金壺眼で、じろりと見越して、 「今晩は。誰方様で?」 「お宅に染次ってのは居りま....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
料理屋の座敷だった。 あたしたちが座蒲団に乗ると、すぐ間もなく、テラテラした、金壺眼《かなつぼまなこ》で、すこしお出額《でこ》の、黒赤い顔の男――子供には、女....
魔都」より 著者:久生十蘭
て、奥の部屋にいるのが宗皇帝だと刑事らに告げ口をした、あのお節介なお馬婆である。金壺眼のしゃくったような下等な面構え。引詰《ひっつめ》に結っているので妙な工合に....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
くすけあたま》。出ッ張ったおでこの下に、見るからにひとの悪るそうなキョロリとした金壺眼《かなつぼまなこ》。薄い唇をへの字にひき曲げ、青黒い沈んだ顔色で、これが痩....
神楽坂」より 著者:矢田津世子
だよ。種はどう思うかえ?」 「左様でございますねえ。あちらの旦那様もお坊ちゃんも金壺眼できょろきょろ御らんになる様子ったら、ほんとうにもの欲しそうですよ。金壺眼....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
和楽、快心の合唱。村の集会は日曜日毎に行なわれた。そして、酔いが廻ると、縮れ毛|金壺眼《かなつぼまなこ》の、鬼のような面相をしたコルシカ人どもは、大々愉快のうち....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
色い、骨だらけの手で、じゃりじゃり音をさせて角張った顔の無精髯を撫で廻している。金壺眼《かなつぼまなこ》、行儀の悪い鼻、釘抜のようにがっしり飛び出た頬骨、無愛想....
審判」より 著者:カフカフランツ
とだろう! 身体つきのぎごちない、両手をぶらぶら振っているラーベンシュタイナー、金壺眼のブロンドのクリヒ、慢性の筋肉引きつりのため気味の悪い薄笑いを浮べているカ....