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金子
「金子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
前の恩返しに、北条屋の危急を救ってやりたい、差当《さしあた》り入用《いりよう》の
金子《きんす》の高は、どのくらいだと尋ねるのでございます。わたしは思わず苦笑《く....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
察署へ訴えたところで、じきにあいつらが捕《つかま》ろうか。捕ったところで、うまく
金子《かね》が戻るだろうか。あぶないものだ。そんなことを期《あて》にしてぐずぐず....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
さな声して言聞《いいき》かせた。織次は小児心《こどもごころ》にも、その絵を売って
金子《かね》に代えるのである、と思った。……顔馴染《かおなじみ》の濃い紅《くれな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
べくは断りたい、断ったら嫌われようか、嫌われては甚だ不好い。一体|恋でありながら
金子をくれろは変な工合だ、妙だよ。その意志のある処を知るに苦む、などと、※紅をさ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
込んだ。 「大違い、大違い、」 と、出家は大きくかぶりを掉って、 「註文通り、
金子でござる、」 「なるほど、穿当てましたね。」 「穿当てました。海の中でも紅色....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
で治ると言って、――よくある事さ。いずれ、主人の方から、内証で入費は出たろうが、
金子にあかして、その頃の事だから、人買の手から、その年月の揃ったという若い女を手....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
りません、おわかりにならんと思いますから、よしますが。 もっとも、その前日も、
金子無心の使に、芝の巴町附近|辺まで遣られましてね。出来ッこはありません。勿論、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
かね。」 背後から、訓導がまた聞き挟む。 「忽然として消え失せただ。夢に拾った
金子のようだね。へ、へ、へ、」 とおかしな笑い方。 「ふん、」 と苦虫は苦っ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
今、あの申しました。…… この間までおりました、古市の新地の姉さんが、随分なお
金子を出して、私を連れ出してくれましたの。 それでな、鳥羽の鬼へも面当に、芸を....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
なしには、忍んでも逢ってはならないと思うのに、あせって※いても、半月や一月でその
金子は出来なかった。 のみならず、追縋って染次が呼出しの手紙の端に、――明石の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
た。親身の情……これが無銭である。さても、どれほどの好男に生れ交って、どれほどの
金子を使ったら、遊んでこれだけ好遇るだろう。――しかるにもかかわらず、迷いは、そ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
のは女の身の上、聞きたいのは婆が金貨を頂かせられて、―― 「それから、お前がその
金子を見せてもらうと、」 促して尋ねると、意外千万、 「そのお金が五百円、その....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
の秋、この富山に来て、旅籠町の青柳という旅店に一泊した。その夜賊のためにのこらず
金子を奪われて、明る日の宿料もない始末。七日十日|逗留して故郷へ手紙を出した処で....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
で揉んで蓼だけ噛れ、と悪い虫めら。川柳にも、(地女を振りも返らぬ一盛。)そいつは
金子を使ったでしょうが、こっちは素寒貧で志を女郎に立てて、投げられようが、振られ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
向うざまに畳の上に押出して、 「軽少でございますが、どうぞお納を。」 と見ると
金子五千疋、明治の相場で拾円|若干を、故と古風に書いてある。 「ああ、こういうこ....