金字[語句情報] » 金字

「金字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
であろうという考えを抱くようになったのは明白である。 エジプト人がケオプスの大金字塔(紀元前約三〇〇〇年)を建築したとき、その設計のために、彼らの中でも最も優....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
りゃ問題にはしないけれども、この形と符合するものが、ナルマー・メネス王朝あたりの金字塔前象形文字の中にある。第一、こんな窮屈な不自然きわまる形の中に、博士がなぜ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
伝いに奥まった一室に入った。古い段通を敷いた六畳程の部屋、下を硝子戸の本棚にして金字の書巻のギッシリ詰まった押入を背にして、蒲団の上に座って居る浅黒い人が、丁寧....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いうのである。 楊はしばらくその匣を撫でまわしていたが、やがて匣の上に震の卦が金字で彫ってあるのを見いだして、彼は笑った。 「卦は震で、おれの名の震に応じてい....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
タリと置いた。濡鼠の袂を敷いて、階の下に両膝をついた。 目ばかり光って、碧額の金字を仰いだと思うと、拍手のかわりに――片手は利かない――痩せた胸を三度打った。....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
経を一巻、手渡しして見せてくれた。 その紺地に、清く、さらさらと装上った、一行金字、一行銀書の経である。 俗に銀線に触るるなどと言うのは、こうした心持かも知....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、木の葉の囁きまで、稲妻のごとく胸の裡に繰返し、なおかつ覚えただけの経文を、颯と金字紺泥に瞳に描いて試みたが、それかと思うのは更に分らぬ。 「して、その唄は、貴....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ら悲しく、 雲横秦嶺家何在 雪擁藍関馬不前 と、韓湘が道術をもって牡丹花の中に金字で顕したという、一|聯の句を口吟む若山の声が聞えて止んだ。 お雪はほろりと....
アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
いう学問の実際の起原はそういう実用問題であったではないか。例えばタレースは始めて金字塔の高さを測るために、塔の影の終点の辺へ小さな棒を一本立てた。それで子供にス....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
な謎を解くものが訪れるのではないかと考えられた。 その四人は朝枝を加えて、やや金字塔に近い形を作っていた。 と云うのは、中央にいる諾威人の前砲手、ヨハン・ア....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
も女流俳人が全国的にひたすら堅実な歩みを続けてゆく努力は、やがて純正な女流俳句の金字塔を築きあげる永遠の礎ともなり、女流俳句の位置を高め、必らず完成の域へ到達す....
偽刑事」より 著者:川田功
落着いて店の中を歩いた。卓の上には積木細工の様に煙草を盛上げたり、食料品の缶詰が金字塔型に積重なったりして居た。彼は其辺を一ト渡り見渡して、女の方へ眼を移した。....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
というべきである、三角点址の眺望は非常に宏闊であって、南西に当って近くの鶴ヶ岳が金字形をなしている、その山貌と鳶色の山色より察すると火山岩である、鶴ヶ岳の左には....
皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
左から沢が来た。十一時二十分、また左から小さな沢が合した。振り返ると谷の空に遠く金字形の峰頭が浮んでいる。何山であるかその時は判然しなかったが、四阿山の頂上であ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
悠たりした線が終ると、薬師の大岳が根張りの強い大日岳を礎のように蹈まえて、穏かな金字塔を押し立てる。遠い空に白山が独り雲の褥を幾枚か重ねて端然と坐っている。富山....