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金属性
「金属性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金属性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
とおして、地底から盛りあがるようにだんだんと大きくなっていった。やがてカンカンと
金属性の音がしたかと思うと、不思議にも今まで大厳石を据えつけてあるように見えた正....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
のとき銀の床の上に轟然《ごうぜん》と落ちたかのように――はっきりした、うつろな、
金属性の、鏘然《そうぜん》たる、しかし明らかになにか押し包んだような反響が聞えた....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
れてしまって、いつまで経っても出て来そうにもない。 金剛杖が石にカチリと当る、
金属性の微かな短い音がしてコロコロと絶壁の下に転げ落ちる、どこを見ても絶壁! 墜....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
の先に、取り付けてある鋼鉄《はがね》の環、それとて尋常なものではない、無数の鋭い
金属性の棘で、鎧《よろ》われたところの環である。意外な利器、素晴らしい手並み、し....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
トンネルの入り口の方で、あっはっはっと大声に笑う者があった。それにつづいて、重い
金属性の大戸が、がらがらッと引かれるような音がしたのだ。 四少年は顔を見合わせ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
で、極端にいえばあのラッパの響きを好むといっていいと思う。あの調子の破れたような
金属性のかすれ声はエキゾチックな泣き声である。 私が巴里の客舎にいる頃、いつも....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ので、人々は恐ろしい彼が通るということを知って、みな散りぢりに逃げ出した。真鍮の
金属性の音はいたずらに静かな大空にひびいて、荒野のあなたに谺していた。ラザルスは....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ていた。 「お待たせしました。」 「いや、僕も今来たばかり……」と、右手に持った
金属性の鳥籠を、どこへ置こうかと、部屋を見廻していた。 「まあ。カナリヤですの…....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
なくなった時には、遥かの前方の一所に、彼らの一団が見えていた。 得物の触れ合う
金属性の音と、絶えず叫んでいる警戒の声と、馬の嘶きと蹄の音とが、一つに塊まった雑....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ん中と思われる辺に一つの小さい突き傷があり突き傷は随分深そうであった。細い鋭利な
金属性の物で深く刺されたものらしい。 この時までの専斎は見るも気の毒な臆病者で....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
うとした時、驚くべき一つの事件が起こった。 7 と云うのは突然人形が、鋭い高い
金属性の声で、次のようにハッキリ叫んだのである。 「南蛮寺の謎は胎内の……」 ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
太陽を一杯に浴びてまだまだ戸外は明るいと見える。孔雀の啼き声と競うように高い鋭い
金属性の鸚鵡の啼き声も聞こえて来る。窓外の壁板に纒っている冬薔薇の花が零すのであ....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
スのニースのお祭に招かれて行って居た。 室内装飾の弧と線と面の屈折と角の直截と
金属性の半螺旋とが先刻から運ばれている|寝床の朝飯の仕度を守って待ちくたびれてい....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
し、助手が私の示すところを見て記載することにして居りましたので、メスを台上に置く
金属性の響と、助手が首にかけた筆記盤の上を走らせる鉛筆の音ばかりが静かな空気を占....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
信が起きている。だな。じゃないかな。そうっとそうっと。」 幽かな、それは幽かな
金属性の音律が、※寂とした夜ふけの暗黒の中に、コチコチとカチカチと、それは遥かな....