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金文字
「金文字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金文字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
たものだから」と答えながら園は書物を裏返して表紙を人見に見せた。濃い藍の表紙に、
金文字でたんに“Mutual《ミューチュアル》 Aid《エイド》”とだけ書いてあ....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
おれ京都がいやになったよ」 と、京吉が言いに行くには、ふさわしい店でもあった。
金文字のはいった扉を押すと、十球の全波受信機がキャッチしたサンフランシスコの放送....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
が遊んでいたように思えた。 僕の書斎兼寝室にはいると、書棚に多く立ち並んでいる
金文字、銀文字の書冊が、一つ一つにその作者や主人公の姿になって現われて来て、入れ....
「階段」より 著者:海野十三
あるかのように同じ形をしてうちならび、白い大理石の小さい名札の上にその研究室名が
金文字で記されてあった。最後に豊富な蔵書で有名な図書室とその事務室とを案内してく....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
るのを見て、たいへん奇異の感にうたれたが、近づいてみると、古ぼけた蝦茶色の緞帳に
金文字で「銀平曲馬団」と銘がうってあったのには、夢かとばかりに驚いた。銀平曲馬団....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
宵は形而上学的な友である。ランプの黄ばんだ光は室をぼんやり照らしている。本箱には
金文字の背を揃えた哲学書が行儀正しく並んでいる。ガラス瓶に插した睡蓮の花はその繊....
「白雪姫」より 著者:菊池寛
って、外から中が見られるガラスの棺をつくり、その中に姫のからだをねかせ、その上に
金文字で白雪姫という名を書き、王さまのお姫さまであるということも、書きそえておき....
「薬」より 著者:井上紅梅
続いていた。後ろの丁字街の突き当たりには、破れた※額があって「古×亭口」の四つの
金文字が煤黒く照らされていた。 二 老栓は歩いて我家に来た。店....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
ませんか。これが、一体どうしたと言うんですか?」 「まあ待ち給え。その隅の方に、
金文字で、少しばかり字が見えるね」 「ええ。判ります。……arcelona――と....
「名士訪問記」より 著者:海野十三
教えられたとおり田村町一丁目のテキスト・ビルの三階へのぼる。階段の上に、とたんに
金文字の看板があって、「佐野電気特許事務所」とある。どういうつもりか「電気」の二....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
いろの器具、さまざまの織物、多種多様の道具類、ないしは珍らしい地図や模型、または
金文字を表紙や背革へ、打ち出したところの沢山の書籍、かと思うと色の着いた石や金属....
「今日になるまで」より 著者:上村松園
会に出品して賞に硯を頂いた事を覚えています。その硯は永年使用していましたが、もう
金文字入の賞の字も磨滅して分らなくなってしまいました。 母はなかなか読書が好き....
「想い出」より 著者:上村松園
いまして、その時御褒美に硯を頂戴致しました。この硯は永年座右に愛用致しまして蓋の
金文字がすっかり消えてしまいましたが、幼い私の中に画家を見付け出していろいろ励ま....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
と両の腕をもたせかけている。 見ろ、組み合せた二つのスリッパまでが踊っている。
金文字入りの黒い革緒のスリッパが。 心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱よ、空....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
持った、電灯をしか思わないであろう。これは一例である。「本」といえば、クロースの
金文字の本。そして見るものは、電気で轟々と走る車、トラック、かくの如く、そこには....