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金木
「金木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
流れこんだ春風《はるかぜ》が、その一枚のレタア・ペエパアを飜《ひるがえ》して、鬱
金木綿《うこんもめん》の蔽《おお》いをかけた鏡が二つ並んでいる梯子段《はしごだん....
「虚構の春」より 著者:太宰治
れこれうるさく申し上げませぬ、このことお含みの上、御養生、御自愛、願上候。青森県
金木町、山形宗太。太宰治先生。末筆ながら、めでたき御越年、祈居候。」 ....
「狂言の神」より 著者:太宰治
笠井一《かさいはじめ》。戸籍名、手沼謙蔵。明治四十二年六月十九日、青森県北津軽郡
金木町に生れた。亡父は貴族院議員、手沼源右衛門。母は高《たか》。謙蔵は、その六男....
「親という二字」より 著者:太宰治
き記す。通帳には旧住所の青森市何町何番地というのに棒が引かれて、新住所の北津軽郡
金木町何某方というのがその傍に書き込まれていた。青森市で焼かれてこちらへ移って来....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
いるのだ。 つい四五日前までは夏のようであったが、町中のお寺の前の暗がりにふと
金木犀のにおいを光らせて降る雨は、はや一雨一雨冬に近づく秋の冷雨だった。 ぶる....
「秋の暈」より 著者:織田作之助
うこともなしに胸を温めた。雨あがりの道だった。 二、三日してアパートの部屋に、
金木犀の一枝を生けて置いた。その匂いが私の孤独をなぐさめた。私は匂いの逃げるのを....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の色は、合歓の影。 「へへへへへ」 と、向うに控えたのは、呉服屋の手代なり。鬱
金木綿の風呂敷に、浴衣地が堆い。 二人連 十 午後、宮....
「帰去来」より 著者:太宰治
私は紬の着物に着換えて、袴をはいた。その五所川原という町から、さらに三里はなれた
金木町というところに、私の生れた家が在るのだ。五所川原駅からガソリンカアで三十分....
「故郷」より 著者:太宰治
。私たちは、その中畑さんのお家で一休みさせてもらって、妻と園子は着換え、それから
金木町の生家を訪れようという計画であった。
金木町というのは、五所川原から更に津軽....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
夢でもなければ幻でもなかった。 彼らの国があったのである。 噂によれば、
金木戸川の上流、双六谷にも人に知られない、相当大きな湖水があり、その周囲には、水....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
小宿でもするか、鋳掛屋の居るに不思議はない。が、珍らしいと思ったのは、薄汚れた鬱
金木綿の袋に包んで、その荷に一|挺、紛うべくもない、三味線を結え添えた事である。....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
知らず、とろんこで「御先祖でえでえ。」どろりと寝て、お京や、蹠である。時しも、鬱
金木綿が薄よごれて、しなびた包、おちへ来て一霜くらった、大角豆のようなのを嬉しそ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
円余、また東京へ着して三四ヶ月の分とて三十円、母が縫いて与えられし腹帯と見ゆる鬱
金木綿の胴巻に入れて膚にしっかと着けたり。学校の教師朋友などが送別の意を表して墨....
「道」より 著者:織田作之助
自分は灰色になってしまうのだというのである。 ところが夏も過ぎ秋が深くなって、
金木犀の花がポツリポツリ中庭の苔の上に落ちる頃のある夕方、佐伯が町へ出ようとして....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
干びた、色の悪い婦の、それでも油でかためた銀杏返をちょきんと結んだのが尖って、鬱
金木綿の筒袖の袖口を綿銘仙の下から覗かせた、炭を引掴んだような手を、突出した胸で....