金木犀[語句情報] »
金木犀
「金木犀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金木犀の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
いるのだ。 つい四五日前までは夏のようであったが、町中のお寺の前の暗がりにふと
金木犀のにおいを光らせて降る雨は、はや一雨一雨冬に近づく秋の冷雨だった。 ぶる....
「秋の暈」より 著者:織田作之助
うこともなしに胸を温めた。雨あがりの道だった。 二、三日してアパートの部屋に、
金木犀の一枝を生けて置いた。その匂いが私の孤独をなぐさめた。私は匂いの逃げるのを....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
されて、和尚さんが朝のうち一時間ほど、紫の衣に錦襴の袈裟をかけて読経をした。庭の
金木犀は風につれてなつかしい匂いを古びた寺の室に送る。参詣者は朝からやってきて、....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
雑誌を読んでいる縁側に籐椅子を出し、朝子が庭を眺めていた。隣家の生垣の際に一株の
金木犀があった。やや盛りを過ぎ、朝子の方に庭土の上へまで、金柑色の細かい花を散り....
「道」より 著者:織田作之助
自分は灰色になってしまうのだというのである。 ところが夏も過ぎ秋が深くなって、
金木犀の花がポツリポツリ中庭の苔の上に落ちる頃のある夕方、佐伯が町へ出ようとして....
「澪標」より 著者:外村繁
ったようである。 庭には梅、桜、桃、椿、山吹、夏蜜柑、紫陽花、柘榴《ざくろ》、
金木犀、枇杷《びわ》、山茶花等、四季の花が咲く。私はいつもその季節の落花を拾って....