金柑[語句情報] » 金柑

「金柑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金柑の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
キラスも作家であるから自然の勢《いきおい》禿げなくてはならん。彼はつるつる然たる金柑頭《きんかんあたま》を有しておった。ところがある日の事、先生例の頭――頭に外....
一本の花」より 著者:宮本百合子
隣家の生垣の際に一株の金木犀があった。やや盛りを過ぎ、朝子の方に庭土の上へまで、金柑色の細かい花を散り敷いてその涼しい香を撒いていた。その香は秋の土の冷えの感じ....
南風」より 著者:宮本百合子
小石は、新鮮な光りを出して居るし、丁樹の香りが一層高い。 もう真黄に熟れて居る金柑が、如何にも美味しそうに見える。 私が七つか八つの時分、金柑が大好きで、そ....
幻の園」より 著者:豊島与志雄
大きくなっていきました。桃や枇杷が熟しました。柿が房をなして色づきました。蜜柑や金柑が至るところに微笑んでいました。椋や榎の実を食べに小鳥が群れてきました。 ....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
いた……。 さてその時の日記の一節には左のようなことがしたためられている。 「金柑の実も、移り住んだ時には真っ青だったのが、しばらく、仄かな黄色に熟れてきた。....
食道楽」より 著者:村井弦斎
苦味が全く抜けた時分に味淋《みりん》とお砂糖を加えてよく煮詰めるのです。蜜柑でも金柑《きんかん》でも気長によく煮ればこういう風になりますよ」大原「これも沢山あり....