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金棒
「金棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
よ……」
四
桃太郎はこういう罪のない鬼に建国以来の恐ろしさを与えた。鬼は
金棒《かなぼう》を忘れたなり、「人間が来たぞ」と叫びながら、亭々《ていてい》と聳....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
、 ある日、ひょっくり気がふれて、奇態な死に方した話。 とても勘《かん》のいい、
金棒引《かなぼうひ》きの人たちは、 きゃつめおっ死《ち》んだで、いきてるわけない....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
う二分と経たない間に沈んでしまうぞ」同室の将校達は、奇声をあげて、非常梯子の滑り
金棒に飛びつくと吾勝ちに、第一|甲板の方を目懸けて、降りて行った。 提督は一人....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
に、スルスルと上へ昇っていった。そして賑かな囃の音につれて、シャン、シャンと鳴る
金棒の音、上手から花車が押し出してきたかのように、花魁道中が練り出してきた。 ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
藤を呼び出した。同期生じゅうで一番大きな男で、撃剣も一番うまかった。器械体操場の
金棒の下へ連れて行って、そこでいきなり殴りつけた。げんこは眼にあたった。彼はほろ....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
「ああ、ありがたし、かたじけなし、この日、この刻、この術を、許されたとは、鬼に
金棒」 と、佐助は天にも登る心地がした途端に、はや五体は天に登っていた。 し....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
乱の責任者であると断ずるは、あたらない。彼は寧ろ生る可き時を誤った人間である。借
金棒引きを迫って、一揆の頻発した時代だ。天下既に大変革を待って居たのである。 ....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
おかしいじゃないか。そんなことが信じられるかい」 そういったのは、村の小学校の
金棒《かなぼう》の下に集まった少年たちの中の一人だった。いや、この少年こそ、この....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
をもってすっかり改造してしまったのであった。だから万吉郎は、いまや文字どおり鬼に
金棒の強味を加えたわけであった。ヒルミ夫人は自らも過不足なきまでに満足感に達し、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
子が、遠山の霧を破って、半鐘の形|活けるがごとし。……火の用心さっさりやしょう、
金棒の音に夜更けの景色。霜枯時の事ながら、月は格子にあるものを、桑名の妓達は宵寝....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
ーを使って室外から鍵を廻わすのである。またよくある例は、二|吋くらいの長さの細い
金棒に紐を結びつけたのを使う。犯人が部屋を出る時に、この棒を恰度|梃代りになるよ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
午の歳の事として挿入してあるので、平子君のこの新発見は、非再建論者にとりては鬼に
金棒を与えたものとも謂うべく、この実物測定上からと、記録上からとの二つの新発見を....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
、中国、なにほどのことやあらん。俺だ……俺だ……俺の頭だ、俺の知識だ、俺は鬼だ、
金棒さえ振りゃなんだって出来得ないことがあるか、
金棒というのは焼物師のことだ、焼....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
さえ出来ておれば、立派なものだ。いわんや人間が出来ておって物が出来るとしたら鬼に
金棒だ。すなわち一人前の人間である。 そういう意味において、日本の今の料理界は....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
れに一文の手当もやらなかった。折尾、直方付近では坑夫の間に歌がある。 鬼の安治川
金棒で責める 坑夫可哀や 生地獄 大正七年八月の米騒動の時に安治川の炭坑は九州....