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金毛
「金毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
ながい間ある山間の療養地に暮らしていた。私はそこで闇を愛することを覚えた。昼間は
金毛の兎が遊んでいるように見える谿《たに》向こうの枯萱山《かれかややま》が、夜に....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
るべきはかの妲己という妖女で、彼女《かれ》の本性は千万年の劫《こう》を経《へ》た
金毛《きんもう》白面《はくめん》の狐じゃ。もし誤ってこの妖魔を走らしたら、かさね....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
も微《かす》かであららかには鳴らぬのである。……ウィリアムは手に下げたるクララの
金毛を三たび盾に向って振りながら「盾! 最後の望は幻影《まぼろし》の盾にある」と....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
くあいて、サロンへドタドタと飛びこんできた者があった。一人はミルキ閣下、一人は針
金毛の女大臣アサリ女史だった。 ミルキ夫人は、それと見るより早く、博士の膝から....
「道標」より 著者:宮本百合子
カをもたせる始末になった。それは伸子がすべったはずみではあるが、全体として、あの
金毛のそばかすのあるピオニェール小僧が、はじめっから伸子たちの警戒と油断とが等分....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
云おう。ビックリするな。 貴族院議員、正四位、勲三等、子爵、赤沢事嗣……これが
金毛九尾の古狐で、今度の事件の一番奥から糸を操っている黒頭巾だ。君等がよく取逃が....
「幸福の感覚」より 著者:宮本百合子
納得できない。だって人間は昔から幸福を求めて来たではないか。ギリシア神話にある「
金毛羊」の物語にしろ、メーテルリンクの「青い鳥」をもとめて旅立ったチルチル、ミチ....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
し」とならなければ神通力は得られない。狐なども神通力を得ると毛の色も金色と変じて
金毛九尾となる。芸術家もそこまで行かなければ駄目だ。役者でも、落語家でも、講談師....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
匠となると女子供にはちょっと了解致し難い人間のぬしとなり切ってしまい、狐でいえば
金毛九尾となって、狐の中の超正一位のぬしとなる。 上野の森を大観という画人が大....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
なり若いの・ほんとに若いの・少女めいたの・肥ったの・瘠せたの・丸顔の・面長なの・
金毛の・黒髪の――。 それらが次ぎつぎに船の手すりを跨ぎながら、細い、太い、円....
「砂遊場からの同志」より 著者:宮本百合子
ころに手拭、歯ブラシ、アルミニュームのコップがキチンとぶら下っている。が、どれが
金毛のイ※ンので、どれがみそっぱのターシャのかという区別をつけるために、それぞれ....
「日記」より 著者:宮本百合子
思議に霊化されて居る云い難い優美さがあるではないか。 エルマンの、いかにも彼の
金毛の生えた丸い指で抑えるらしい音の現実的さ。パーローの、神経質な細い指が緊張し....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
んに食い、中央亜細亜方面では佳饌のうちに加えられてある。 昔、京の禁裡から白面
金毛九尾の狐を祈り払った陰陽博士阿部晴明は、母の乳よりも蝗が好物であったというか....
「妾宅」より 著者:永井荷風
行く三味線の身に取っては同じであるといわねばならぬ。珍々先生が帝国劇場において『
金毛狐《きんもうこ》』の如き新曲を聴く事を辞さないのは、つまり灰の中から宝石を捜....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、正体の知れぬ男が、市長に坐る時代だから、どんな陰謀があるかも知れない。あるいは
金毛九尾の狐が、唐天竺からやって来て、大阪市長にばけて出ておるのかも知れない。そ....