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金気
「金気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金気の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
しなくっても好ござんす。どうかして上げますから」 旅費は無論ない。一厘たりとも
金気《かなけ》は肌に着いていない。のたれ死《じに》を覚悟の前でも、金は持ってる方....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
、即ち貴人に寵せられ、青雲に登るというやつだ。ええと夫れから九八の間取、九は艮で
金気を含み、八は坤で土性とあるから、和合の相を現している。主屋と離なれ別棟があり....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
だってえ。どっち向いたって真黒けな人ばかりみたいなんだもの」 「それがいいのさ。
金気《かなけ》がしみついてるから虫がつかないよ」 綾子が細かいめの紫と白の矢羽....
「花物語」より 著者:寺田寅彦
通るばかりである。咽喉がかわいて堪え難い。道ばたの田の縁に小みぞが流れているが、
金気を帯びた水の面は青い皮を張って鈍い光を照り返している。行くうちに、片側の茂み....
「平塚さんと私の論争」より 著者:与謝野晶子
れて、唯だ身を以て男子に売ろうとしつつある者としか考えられません。これは男子の成
金気質に附随して発生した一時的現象かも知れませんが、不完全ながらも現代の教育を受....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かった、燗《かん》が口合いに出来ている。鉄瓶から直接《じか》にうつした燗だから、
金気《かなけ》があって飲まれないかと思うと、そうでない――上燗だ。 竜之助は湯....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って、万字屋の方を見ながらニヤリと笑いました。このとき金助の心持は、今までの小成
金気分の酔いから、すっかり醒《さ》めてしまって、一両の金に随喜するような心から解....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
づかみにして小夜子サンにチップをはずみました。おかげで小夜子サンはちょッとした成
金気分になって、ナギナタ二段嬢なぞもコンパクトやセーターなぞおごってもらい、彼女....
「鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
れから此方は七九の間取り。……うん、そうか、あの下に、金銀が蓄えてあると見える。
金気が欝々と立っている。……さて、あいつが九六の間取りで庭に明水の井戸がある。薬....
「注文の多い料理店」より 著者:宮沢賢治
》まで添《そ》えてあったのです。 「ははあ、何かの料理に電気をつかうと見えるね。
金気《かなけ》のものはあぶない。ことに尖ったものはあぶないと斯《こ》う云うんだろ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ゃ事が小せえ。日本中の黄金を掻き集めたいんで」「鼓が何んの用に立つな?」「名鼓は
金気を感じます。ポンポンポンポンと打っていると、自然と黄金のあり場所が、わかって....
「日記」より 著者:宮本百合子
、自分には分らないで恥た、いやな心持がした。物質的な優越感にならされた或程度の成
金気分が彼女にもある。金に対して丁寧にする者に対して、尊大ぶる劣しさ。夜紀元節が....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
もう疾っくに平地を遁れた霊どもは、常よりも
岩石に同情を寄せています。霊どもは
金気をたっぷり帯びて立つ、尊い気の中で、
迷路のような谷間に潜んで、密かに働いて....
「不思議な国の話」より 著者:室生犀星
うです。 ある時、父親は不意に考えついて、娘の部屋の庭へ向っている障子ぎわに、
金気のある錆びた棒を引いて置いたのです。父親は心で考えたことがあるため、そう遣っ....