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金看板
「金看板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金看板の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。君のように暗打ちなんぞは食わせない。いや、こりゃ失礼。禁句禁句《きんくきんく》
金看板《きんかんばん》の甚九郎《じんくろう》だっけ。――お蓮さん。一つ、献じまし....
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
さしき者の自衛手段と解して大過なかるべし。われ、事に於いて後悔せず、との菊池氏の
金看板の楯《たて》の弱さにも、ふと気づいて、地上の王者へ、無言で一杯のミルクささ....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
小唄に残っている間《あい》の土山《つちやま》へひょっこり出る。屋根附の中風薬の
金看板なぞ見える小さな町だが、今までの寒山枯木に対して、血の通う人間に逢う歓びは....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にはおなじみな、あのひげをぬく癖をあかずにくりかえしくりかえし、半日でも一日でも
金看板のむっつり屋をきめ込むのがそのならわしでした。もっとも、その間になにか珍し....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
》にあげるっていうんじゃござんすまいね」 だのに、右門はごくすましたものです。
金看板どおりにむっつりおし黙って、すたすたと甲州口を西へ西へと急いでいましたが、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、右門はもうそのとき完全に、われわれのむっつり右門でありました。黙然たることその
金看板のごとく、行動の疾風迅雷的にして、その出所進退の奇想天外たることまたいつも....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
鳴ることもできないほどにすばらしく早いのです。大またにすたすたと裏小路へ抜けて、
金看板のむっつりぶりもあざやかに、一路目ざした方角がまたじつに意外でした。何を訴....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れかの仲間と同席しなければならないはずでしたが、しかし、こういうときいつもかれは
金看板どおりのむっつり右門で、べつにだれといって憎い者がないと同時に、まただれと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
着ていたひにゃ、おへそにきのこがはえますぜ」 しかし、右門はすましたものです。
金看板のむっつり屋をきめこみながら、じろりと伝六に流し目をくれただけで、依然あご....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かという理由を説明して、それは郷国の先輩、弥次郎兵衛、喜多八が東海道膝栗毛という
金看板をかかげながら、東海道の要《かなめ》を押えるところの尾張の名古屋を閑却して....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃくどういろ》に黒ずんだ顔面の皮膚の下の筋肉は鋭いほどに引締っている。同時にその
金看板であるところの、額から頬へかけての創が稲妻のような鋭いひらめきを見せないで....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ったが、その歿後は、亡夫の級友で、大学教授の大浦市郎という博士が週に二回出張して
金看板になっている。この人が衣子の恋人であった。 大浦博士は色好みの人であるか....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
右の方は板流し! 程よい所に石の井戸、そうかと思うと格子の側に朝熊万金丹取次所と
金看板がかかっている。所は茅場町植木店、真の江戸子が住んでいる所……で、表向きは....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
員達の小綺麗な姿が見えている。上海棉花公司とか、広徳泰|軋花廠とか、難解の文字の
金看板が、家々の軒にかかっていて、夕陽にピカピカ光っている。九江路を右に曲がり、....