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金石
「金石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
て知っていた。机の前の壁には、純次自身の下手糞な手跡で「精神一到何事不成陽気発所
金石亦透《せいしんいっとうなにごとかならざらんようきのはっするところきんせきもま....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
ある。俺達はあくまでも戦闘する。 戦闘は自我の能力の演習である。自我の権威の試
金石である。俺達の圏内に、漸々になまけものを引寄せて、そいつらを戦士に化せしめる....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の範律に則って自己を生活しなければならぬ。努力は実に人を石から篩い分ける大事な試
金石だ。動植物にあってはこの努力という生活活動は無意識的に、若しくは苦痛なる生活....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
。なんにも食わせない時には、その臂がしびれて働かなかった。 「試みにあらゆる薬や
金石草木のたぐいを食わせてみろ」と、ある名医が彼に教えた。 商人はその教えの通....
「運命」より 著者:幸田露伴
づから持す。 雍容 儒雅、 鸞鳳の 儀あり。 とあり。又其の賜詩三首の一に 文章
金石を奏し、 衿佩 儀刑を覩る。 応に世々 三|輔に遊ぶべし、 焉んぞ能く 一|....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
るところまで至っていない。三宮事件はこの新政府にとって誠意と実力とを示す一つの試
金石とも見られた。二月の九日になると、各国公使あての詫書が京都から届いた。それは....
「読書法」より 著者:戸坂潤
である。之こそ現代人の建設の課題であると共に、現下の国民にとっての文化的性能の試
金石であると云ってもいい。この時現われた本書の意義は、私が改めて説明するまでもな....
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
合するようなことがありはしないかと想像される。 しかしこの仮説にとって重大な試
金石となるものは、馬のこの種の放電に対する反応いかんである。すなわち人間にはなん....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
のを見るだろう。そういう意味で空間の問題は、唯物論の側から見て、哲学を批判する試
金石として役立つだろう。之がこの問題の副次的な効用である。
空間の問題は云うま....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
るのです。それはこういうアベコベの地理やマチガイ年号を書いているバカ歌やバカ本や
金石文等の数々を見ればすぐ分るのです。 そういうわけで、ヒダの王様が大和飛鳥へ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
日を控えて、芸の苦心に肝胆を砕いていたのである。彼に取って、其処に可なり危険な試
金石が横わっている。『あれ見よ、密夫の狂言とは、名ばかりで相も変らぬ藤十郎じゃ』....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
聞えける。武蔵坊申しけるは、君はこれより宮の越へ渡らせおわしませ―― とある……
金石の港で、すなわち、旧の名|宮の越である。 真偽のほどは知らないが、おなじ城....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
色で。……近い処に増穂のあるのは、貝の名から出たのだそうで、浜の渚は美しい。……
金石の浜では見られません。桜貝、阿古屋貝、撫子貝、貝寄の風が桃の花片とともに吹く....
「妖怪学」より 著者:井上円了
こと明らかなり。金生水とは、金を火にてあぶれば上に水浮く。これ金生水なり。また、
金石一体という説あり。例えば井を掘るに、底に至りて砂石に掘り当て水出ずる。ゆえに....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
との始まったのは前一世紀の末のころであったらしく、その後もかなり長い間はいわゆる
金石併用時代であったが、ともかくもシナの文物をうけ入れることになった地方の小国家....