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「金碧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金碧の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇遇」より 著者:芥川竜之介
環じゃないか。」 なるほど趙生《ちょうせい》が指さした几《つくえ》の上には、紫金碧甸《しこんへきでん》の指環が一つ、読みさした本の上に転がっている。指環の主は....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
でながめ廻っていた女客が、吸い寄せられたように凝立《ぎょうりつ》して、この大床の金碧燦爛《こんぺきさんらん》たる壁画を見つめてしまいました。 熱心と言えば熱心....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
でもない。 この写真が、いま言った百人一首の歌留多のように見えるまで、御堂は、金碧蒼然としつつ、漆と朱の光を沈めて、月影に青い錦を見るばかり、厳に端しく、清ら....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
我々参拝人の入る道なんです。すなわち私共はその北の口からずっと入って見ますと実に金碧燦爛として何ともいえない感に打たれたです。 の類の像などが三百余りもあって皆....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
な気もちがした。 今も、たった今、江戸城の大規模な改修工事をながめ、大名小路の金碧さんらんたる門や構えを見て来た眼で――ここの暗やみ坂の青葉の底に、そこらの百....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
わけではない。わしも修行と思って、町住居しているのだから」 山門といっても何の金碧もない茅葺門。本堂も貧しい寺だった。 又八道心は、そこの庫裡のわきにある寝....
三国志」より 著者:吉川英治
なった。 まず、宮門から火があがった。 紫金殿の勾欄、瑠璃楼の瓦、八十八門の金碧、鴛鴦池の珠の橋、そのほか後宮の院舎、親王寮、議政廟の宏大な建築物など、あら....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
死後の身を考えると、武蔵の謙譲な気もちは、ただただ勿体ないことと思い、自己の柩を金碧の霊壇に上し、諸士の拝を受けることは、そのいわれもないし、固く辞退したいとも....
黒田如水」より 著者:吉川英治
。竹中半兵衛も見える。 官兵衛も手を振って答えた。顧みれば安土の城頭の巍然たる金碧もまさに天下|布武そのままの偉観ではあったが、やはり官兵衛の心を深くとらえた....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
は、かくの如くにして生じたものであろうと解せられる。そしてそのある者は栄達して、金碧燦然たる殿堂内に金襴の袈裟を纏うてすましこみ、ある者は堕落して、非人よ乞食よ....