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金穀
「金穀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金穀の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
め、京師を拱衛せしめんと欲せり。是れ亦故無きにあらず。兵馬の権、他人の手に落ち、
金穀の利、一家の有たらずして、将帥外に傲り、奸邪間に私すれば、一朝事有るに際して....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ように聞こえるが、右は決して東山道軍の先駆でないと言ってある。中には、通行の途次
金穀をむさぼり、人馬賃銭不払いのものも少なからぬ趣であるが、右は名を官軍にかりる....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ることが出来る。今その文を左に記そう。 天保|己亥《きがい》、春予以二所レ摂
金穀之事一、奔二命於江都一、寓二龍口上邸中一、一日奉レ謁二 君公一、啓二我所レ職....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
」
「まさか――だけど、だんな」
「わかっとる、入札はその方どもの自由だ、本府の
金穀課が扱うじゃろう」
それでも彼らは黙らなかった。今は公然と顔をよせあつめて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
おけば、自然お膝元の歩兵隊が繰出す。その空虚に乗じて江戸の城下へ火をつけ、富豪の
金穀を奪うて、大事を挙げる時の準備にしようという方針らしい。 斯様《かよう》な....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
下士と対するときは、藩法、常に上士に便にして下士に不便ならざるを得ずといえども、
金穀《きんこく》会計のことに至《いたり》ては上士の短所なるを以て、名は役頭《やく....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
くじら分限が大勢できあがった。 京、大阪の女衒《ぜげん》どもは、わずかばかりの
金穀で貧乏公卿の息女を買い落し、みちのくの果てに送りだしたが、うそかまことか、そ....
「学校の説」より 著者:福沢諭吉
、学校を設くるに公私両用の別あり。その得失、左の如し。 一、官に学校を立つれば、
金穀《きんこく》に差支えなくして、書籍器械の買入はもちろん、教師へも十分に給料を....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
満足していなかった。丁度兄の伊藤八兵衛が本所の油堀に油|会所を建て、水藩の名義で
金穀その他の運上を扱い、業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する....
「三国志」より 著者:吉川英治
かった。いや、彼以外の富豪までが、みな乞わずして、 「どうか、つかってくれ」と、
金穀を運んできた。 すでに曹操はもう、多くの将星を左右に侍らせ、三軍の幕中に泰....