金筋[語句情報] » 金筋

「金筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
来ると、向うの方に橋本始め連中が床几《しょうぎ》に腰をかけて梨を食っている。腕に金筋《きんすじ》を入れた駅長までいっしょである。余も同勢に交《まじ》って一つ二つ....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
逐一申し上げたのでございます。 ――すると、それまで私の話を黙って聞いていた、金筋入りの肩章をつけた警官は、かたわらの同僚のほうへ向き直りながら、 「どうもこ....
芝居狂冒険」より 著者:夢野久作
お辞儀をしては汗を拭った。 警官は三人ともニヤニヤと笑った。 若い上役らしい金筋の這入った一人が、煙草に火を点けて悠々と烟を吐いた。 色の黒い人相の悪い一....
蜘蛛」より 著者:豊島与志雄
巣が張られていて、その真中に女郎蜘蛛が一匹ずつ、逆さにじっと構えこんで、背と腹の金筋を朝日に輝かしているのである。私は嬉しさの余り、妻や子供達を呼んだ。子供達は....
家なき子」より 著者:楠山正雄
、なんと名のつけようもなかった。 わたしはびっくりしてながめていた。 それは金筋をぬいつけた赤い服を着ていたが、うでと足はむき出しのままであった。実際それは....
見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
てフランボーは激烈な叫声を発して、フランス式の身振りをしてみせた。なぜといって、金筋の使丁の警衛する玄関口の真ん中の石床の上に、その巨人のような使丁の横柄にかま....
色彩映画のシナリオ」より 著者:中井正一
一つの赤い色があった。 それは、シナリオ・ライターが、胸にかくしもって、それが金筋のハイライトの役割りをもつものであった。それは、ほんの二点の灯にしかすぎなか....
予言」より 著者:久生十蘭
もう眼が見えなくなっていた母堂が病床から這いだしてきて、桐の紋章を撫で、ズボンの金筋にさわり、 「とうとうあなたも従五位になられました」 と喜んで死んだ。 ....
撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
紳士I氏」の存在を書いたのみである。 いかに巧妙に粉飾されたスキャンダルでも、金筋をたぐってゆけばその地上的本質がたあいもなく曝されるということは、疑獄検事よ....