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「金策〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金策の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
こに思い到《いた》りて、白糸はいまだかつて念頭に浮かばざりし盗《とう》というなる金策の手段あるを心着きぬ。ついで懐なる兇器に心着きぬ。これ某《なにがし》らがこの....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
彼は前後の思慮もなかった。懐中していた一朱銀を、手金としてその通辞に渡すと、彼は金策のために、藩邸へ馳《は》せ帰った。 彼が、駆けつけていったのは、家老岡新左....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
「ヴィクターで待っててくれ」野崎はなにか責任の重さを痛感したような顔で、夜の町を金策に奔走するのだった。 ある日、野崎は突然行方不明になった。その前の晩野崎と....
自叙伝」より 著者:大杉栄
て、今から思えばこうも邪推されるのであるが、彼女はそれを知りぬいていて、郷里まで金策に行くという伊藤に二度までも旅費をかしたのであった。 僕は神近に、雑誌の保....
貧を記す」より 著者:堺利彦
なり)を追う。一|蒼蠅一カ月の間は来たらざるべし。快。白眼また一衣を送り来たる。金策と羽織と 金策ならんとしてならず。羽織できんとしてできず。 さすがに我も....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
しょう。あとはまたあとのことにして。」 「僕もそうきめているんだ。で、あした一日金策に廻って見て、その上ではっきりきめようと思うんだ。」 「旅行券は?」 「そん....
大脳手術」より 著者:海野十三
もいいのだけれど、残念ながら珠子との遊覧の旅にすっかり使い切って、実をいえば目下金策をあれやこれやと考慮中であるわけだ。 私が、この厄介な脛に膏薬を貼りかえて....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ったのである。わが家に於ては小生が有金全部失うこと必定とみて、すでに東京に赴いて金策を果し、敗軍の将をねぎらうに万全の用意をととのえていたが、このへんは近来の美....
貞操問答」より 著者:菊池寛
、小屋を開けてくれないので、苦労知らずの若い連中は、初舞台を踏む興奮も嬉しさも、金策の苦労で消されがちだった。 ただ圭子は、十四場の長い芝居に、どの場もどの場....
この握りめし」より 著者:岸田国士
に対しては、向うで納得するように、十分ご相談なすつたらどうです。場合によつては、金策のために上京される必要があるとしたら、例えば、借用証書を一札入れるとか、出来....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
い。つまりそれほど差しせまった現実的な夢ばかり見るわけです。たとえば友人に会って金策をたのんだり、女房が悪い病気になったと思いこんで(というのは、女房が病気にな....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
さい安吾さんや、とすすめるから、実は拙者もそのつもりで、十万円だか十五万円だかの金策に頭をなやましている旨を有りのまま伝えた。 すると文六さんは話半ばにカンラ....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
底抜けのお人善しだったせいもあるだろうが、一つには、至極のんきなたちで、たやすく金策できるように思い込んでしまうからなのである。ところが、それが容易でない。他の....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
きの証書をも書かされたのであった。そして無理算段をしては、細君を遠い郷里の実家へ金策に発たしてやったのであった。…… 「なんだってあの人はあゝ怒ったの?」 「や....
罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
ないのだ。それを知らない彼ではなかった。だから、伸子が袷一枚の寒さに顫えながら、金策に出かけると云った時に、彼はその無駄な事を説いて、彼女を留めた。然し、伸子に....