金粉[語句情報] » 金粉

「金粉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金粉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
へ吹きつけました。と思うと、その煙の向うにけたたましく何か爆《は》ぜる音がして、金粉《きんぷん》のような火粉《ひのこ》がばらばらと疎《まば》らに空へ舞い上りまし....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うだが。」 老人はこう呟《つぶや》きながら、しばらくはそこに伸び上って、絶えず金粉を煽っている火事の煙に見入っていた。 するとほどなく部落から、逃げて来たら....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
の白い衣は、幾十回となく起伏を重ねて、凹面にはデリケートな影をよどませ、凸面には金粉のような日光を漂わせ、その全体は、単純一様に見えながら、部分の曲折、高低、明....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
これがほんとうに箔《はく》のはげるというやつさ。でも、どろ水の中にちかちか光った金粉がいまだに残っているところを見ると、金は金の金粉だったろうが、それにしてもこ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、ところどころにちかちかとなにか光っている粉がついているのだ。金です！ 粉れなく金粉なのです！ 同時に名人の目も鋭くぴかりと光ると、さえざえとしたことばがはじめ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。それは、オクターヴォ判型の書簡紙に二枚ほどのものでしたが、認め終ると、その上に金粉を撒いて、さらに廻転封輪で捺しました。たぶん貴方は、あの方がいっさいを旧制度....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
そのうち目付かるだろう。いやこの俺が目付けてみせる。……それから金銀円方として、金粉、銀粉、鹿頭、白花蛇、烏蛇、樟脳、虎胆の七種を、丸薬として服ませもするが、こ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
々改めて、 作「あゝー先ず無事で安心を致した、是れは八年｜前に是れだけ毀したのを金粉繕いにして斯うやってある、併し残余は瑕物にしてはならんから、どうかちゃんと存....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
け、大噴火山のように赤くなった、その前に立った日本北アルプスの峰々は、猩紅色や、金粉を塗った円頂閣となり、色彩の豊麗な宝石を鏤ばめた、三角の屋根となった。 見....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
雑炊子と称する同氏の絵に、どこか似通ったものが感じられた。同氏は油絵に日本絵具の金粉などを混用されたこともあり、日本画専門になってからも筆は総て油絵用のものを用....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
黄金の剥げた黒漆とは思われないで、しかも些のけばけばしい感じが起らぬ。さながら、金粉の薄雲の中に立った趣がある。われら仙骨を持たない身も、この雲はかつ踏んでも破....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ば刀の精だけで、現世の刀ではないのでございましょうが、しかしいかに査べて見ても、金粉を散らした、濃い朱塗りの装具といい、又それを包んだ真紅の錦襴の袋といい、生前....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
にたえてきた木々がいっせいに緑の芽をふきだす。土をわって草がかれんな花をつけた。金粉の日をあびて小鳥が飛びかい、樹上に胸をふくらまして千｜囀百｜囀する。万物がみ....
「錬金詐欺」より 著者:小酒井不木
識を悪事に応用した。そうして彼は犯罪者仲間から、Gold Dust Teddy（金粉のテッジー）と綽名されるに至ったのである。 金粉のテッジーと綽名されたのは....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
屋上庭園の青い薄明、紫の弧燈にまつわる雪のような白い蛾、小網町の鴻の巣で賞美した金粉酒のちらちら、植物園の茴香の花、大蒜の花、銅版画は司馬江漢の水道橋の新緑、そ....