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金色夜叉
「金色夜叉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金色夜叉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
であった。 私が出かけた温泉地は、むかし、尾崎紅葉の遊んだ土地で、ここの海岸が
金色夜叉《こんじきやしゃ》という傑作の背景になった。私は、百花楼というその土地で....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
守の、座敷から縁越に伸上ったり、玄関の衝立の蔭になって差覗いた奥様連は、千鳥座で
金色夜叉を演るという新俳優の、あれは貫一に扮る誰かだ、と立騒いだ。 主税がまた....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。私も云わなかった。 これは私の若い時のことである。それから三、四年の後に、「
金色夜叉」の塩原温泉の件りが読売新聞紙上に掲げられた。それを読みながら、私はかん....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
すでに過ぎ去り、柳浪にはやや早く、蝸牛庵主は「新|羽衣物語」を書き、紅葉山人は「
金色夜叉」を書くほどの熟した創作境に達している。鴎外漁史の「そめちがえ」を出され....
「蒲団」より 著者:田山花袋
の女学校は他の女学校に比して、文学に対して総て自由だ。その頃こそ「魔風恋風」や「
金色夜叉」などを読んではならんとの規定も出ていたが、文部省で干渉しない以前は、教....
「秋風記」より 著者:太宰治
憎んでいない。偽悪趣味。」 「甘い?」 「ああ、このお宮の石碑みたい。」路傍に、
金色夜叉の石碑が立っている。 「僕、いちばん単純なことを言おうか。K、まじめな話....
「生ける人形」より 著者:寺田寅彦
だろうと思う。見なれないうちは少しおかしくても、それはかまわない。百年の後には「
金色夜叉」でも「不如帰」でもやはり古典になってしまうであろう、義太夫音楽でも時と....
「箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
勘定になるかもしれない。 熱海ホテルの海に面した芝生は美しい。去年見た新解釈「
金色夜叉」の芝居で柳永二郎の富山がお宮の母と貫一の絶縁条件を値踏みしなが「二万円....
「百万人の文学」より 著者:坂口安吾
すでに現代語でないから、読者の魂とふれあう数が次第に減少するかも知れない。また、
金色夜叉などのように、流行歌に、芝居に、お宮と貫一の物語として国民的な伝記として....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
り、本を読んだりして暮せって」 「小説を読みますか」 「読みますわ、少しは」 「
金色夜叉や、不如帰読みましたか」 「ええ」 それから小説の話をしたが、本当はあ....
「神経」より 著者:織田作之助
ントの端が、 「貫一つぁん、お上りやす」 と掴まれていた。高等学校の生徒だから
金色夜叉の主人公の名で呼んだのであろうと思いながら、私はズルズルと引き上げられた....
「道なき道」より 著者:織田作之助
くのだった。 途中、左手に北向き八幡宮があった。そこでも今年は、去年のように、
金色夜叉やロクタン池の首なし事件の覗きからくりや、ろくろ首、人魚、海女の水中冒険....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
というのを読んで御覧なさい。あれは明治の小説として後世に伝うるに足る傑作なり。『
金色夜叉』などの類にあらず。 五千五百部はうれましたか。五十二銭が高いと思った....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
。私もいわなかった。 これは私の若い時のことである。それから三、四年の後に、「
金色夜叉」の塩原温泉の件が『読売新聞』紙上に掲げられた。それを読みながら、私はか....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
廻した。 「知るもんか、そんなこと。」 「活動をうつしに来たんだ、活動を。――『
金色夜叉』でも『ほとゝぎす』でも、その時分には、みんなこゝで……こゝだの、花見寺....