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金銀
「金銀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金銀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
だぶき》の屋根の向こうに、むらがっているひでり雲《ぐも》も、さっきから、凝然と、
金銀銅鉄を熔《と》かしたまま、小ゆるぎをするけしきはない。まして、両側に建て続い....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
て、定めて本望に相違はあるまい。が、さもないものがこの中にあって、わずかばかりの
金銀が欲しさに、予が身を白刃に向けるとすれば、そやつは二つとない大事な命を、その....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
方は一通りではない。旧記によると、仏像や仏具を打砕いて、その丹《に》がついたり、
金銀の箔《はく》がついたりした木を、路ばたにつみ重ねて、薪《たきぎ》の料《しろ》....
「竜」より 著者:芥川竜之介
らした牛車《ぎっしゃ》が、のっしりとあたりの人波を抑えて、屋形《やかた》に打った
金銀の金具《かなぐ》を折からうららかな春の日ざしに、眩《まば》ゆくきらめかせて居....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ん》、リノリウム、コオクカアペト……
「台所用具。陶磁器類、硝子《ガラス》器類、
金銀製器具……」
一冊の本に失望したたね子はもう一冊の本を検《しら》べ出した。....
「或る女」より 著者:有島武郎
よ……さようなら」
といって自分ももう一つの車に乗った。葉子の紙入れの中には正
金銀行から受け取った五十円金貨八枚がはいっている。そして葉子は古藤がそれをくずし....
「或る女」より 著者:有島武郎
。塵《ちり》一つさえないほど、貧しく見える瀟洒《しょうしゃ》な趣味か、どこにでも
金銀がそのまま捨ててあるような驕奢《きょうしゃ》な趣味でなければ満足ができなかっ....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
シバの女王が遠い国にいたためではなかった。タルシシの船や、ヒラムの船は三年に一度
金銀や象牙や猿や孔雀を運んで来た。が、ソロモンの使者の駱駝はエルサレムを囲んだ丘....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は、霜の花で飾られたこの小船にハイムダルの亡骸を収め、それに様々な高貴な鉄工品や
金銀細工を満載した。小船は、始めに来たときと同じように、目に見えぬ橈の力で矢のよ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
子 私もそうらしく思って聞いた。僧都、それから後に言われた、その董、露草などは、
金銀宝玉の類は云うまでもない、魚類ほどにも、人間が珍重しないものと聞く。が、同じ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
。荒海の巌礁に棲み、鱗鋭く、面顰んで、鰭が硬い。と見ると鯱に似て、彼が城の天守に
金銀を鎧った諸侯なるに対して、これは赤合羽を絡った下郎が、蒼黒い魚身を、血に底光....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ブトリと膨れた蜘蛛の腹より、人間は痩せていた。 ここに照る月、輝く日は、兀げた
金銀の雲に乗った、土御門家一流易道、と真赤に目立った看板の路地から糶出した、それ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
麗に燦然として、異彩を放つ手釦の宝石を便に、ともかくも駒を並べて見た。 王将、
金銀、桂、香、飛車、角、九ツの歩、数はかかる境にも異はなかった。 やがて、自分....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
列通るのをみつけた。白張りの提灯や竜燈はその中に加わってはいないらしかった。が、
金銀の造花の蓮は静かに輿の前後に揺いで行った。…… やっと僕の家へ帰った後、僕....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ました。絢爛な薬玉を幾|条も聯ねたようです。城主たちの夫人、姫、奥女中などのには
金銀珠玉を鏤めたのも少くありません。 女神の前にも、幾条か聯って掛っていた。山....