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金銭
「金銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
したり、学友会の会費を出すことにしたり、――あらゆる都合の好い口実のもとに父母の
金銭を盗もうとした。それでもまだ金の足りない時には巧みに両親の歓心を買い、翌月の....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
声を圧して、起った。――撒かれた紙銭は、手を離れると共に、忽《たちま》ち、無数の
金銭や銀銭に、変ったのである。………
李小二は、この雨銭《うせん》の中に、いつ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わたしは未だにこの女にだけは優しい心もちを感じている。
又
わたしは
金銭には冷淡だった。勿論《もちろん》食うだけには困らなかったから。
又
....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ている。つまり康頼の考えでは、神仏も商人と同じなのじゃ。ただ神仏は商人のように、
金銭では冥護《みょうご》を御売りにならぬ。じゃから祭文《さいもん》を読む。香火を....
「或る女」より 著者:有島武郎
からあなたに届いたら、倉地氏にもよろしく伝えてください。倉地氏に迷惑をおかけした
金銭上の事については前便に書いておきましたから見てくださったと思います。願わくは....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
私たちは自分の悲しみにばかり浸っていてはならない。お前たちの母上は亡くなるまで、
金銭の累《わずら》いからは自由だった。飲みたい薬は何んでも飲む事が出来た。食いた....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
にじっきん》を散ずべき勢いをもって、得るままに撒《ま》き散らせり。これ一つには、
金銭を獲るの難《かた》きを渠は知らざりしゆえなり。 渠はまた貴族的生活を喜ばず....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
六十一 「そこでお前さん、何だって、世帯をお仕舞えなさるんだか、
金銭ずくなら、こちとらが無尽をしたって、此家の御夫婦に夜遁げなんぞさせるんじゃね....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
それは十二売れば、銀一枚になるのに違いなかった。林檎はもちろんこの時以来、彼には
金銭にも変り出した。 或どんより曇った午後、ファウストはひとり薄暗い書斎に林檎....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
を知られて、土に手をついて太夫様と言われたのでは、そのいわゆる禁厭の断り悪さは、
金銭の無心をされたのと同じ事――但し手から手へ渡すも恐れる……落して釵を貸そうと....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ではよく恋愛関係の悲劇を探したり想像してみたりする。あるいはまた、その自殺を何か
金銭上の失敗の結果ではあるまいかと考えてみる。結局たしかなところを突止めることは....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
にも若干の学資を持たせ遣したりとあれば、それを此方へ御預かり申さんとは存ぜしが、
金銭の事ゆえ思召す所を憚かりて黙止たりしが残念の事を仕りたり」と言うに、いよいよ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
デビーの講義の筆記も、自分のした講義の控も、諸学者と往復した手紙も、あるいはまた
金銭の収入を書いた帳面までも、王立協会に全部保存されて今日に残っている。 リボ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
であるが、一面の真理はこれを認めねばならない。劣悪極まる軍隊の結果は個々の戦争を
金銭の取引に依り決戦戦争以上の短日月の間に解決せらるる事もあったけれども、それは....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
し合いしているだけである。僕は泥のはねかかったタクシーの窓越しに往来を見ながら、
金銭を武器にする修羅界の空気を憂欝に感じるばかりだった。 僕等は「橋本」の前で....