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金鍔
「金鍔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金鍔の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
と思った。気の毒だと思った。それでも清は可愛がる。折々は自分の小遣《こづか》いで
金鍔《きんつば》や紅梅焼《こうばいやき》を買ってくれる。寒い夜などはひそかに蕎麦....
「どんぐり」より 著者:寺田寅彦
やまりしてん》の縁日へ出かけた。十時過ぎに帰って来て、袂《たもと》からおみやげの
金鍔《きんつば》と焼き栗《ぐり》を出して余のノートを読んでいる机のすみへそっとの....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
桶《あくおけ》』の巻で、芭蕉の「蛭《ひる》の口処《くちど》をかきて気味よき」や「
金鍔《きんつば》」や「加茂の社」のごときはなかなか容易に発見されるような歯車の連....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
男女の思迫った、そんな味は覚えがない、ひもじい時の、芋の涙、豆の涙、餡ぱんの涙、
金鍔の涙。ここで甘い涙と申しますのは。――結膜炎だか、のぼせ目だか、何しろ弱り目....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
銅五厘を拾った事がある。小銅五厘|也、交番へ届けると、このお捌きが面白い、「若、
金鍔を食うが可かッ。」勇んで飛込んだ菓子屋が、立派過ぎた。「余所へ行きな、
金鍔一....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
魂が破壊といふ最後の崖しか見つめることがなくなつてゐる証拠であつた。 男の名は
金鍔次兵衛の通り名で日本全土に知られてゐたが、その本名は誰も知らない。大村の生れ....
「魔像」より 著者:林不忘
、よほど張りこんで、ぎっしり山吹色が詰まっているとみえる。 お茶をもう一ぱい、
金鍔《きんつば》をもう一つというので、定公め、なかなか腰を上げないのだが、べつに....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
のは、今も昔も変りがない。実に私が切支丹史の人物中で最大の興味をもっていたのは「
金鍔次兵衛」という怪人物で、私が十年前の長崎旅行の後にまず第一に書いたのは彼の行....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
工面が悪し、霜枯から引続き我慢をしているが、とかく気になるという足取。 ここに
金鍔屋、荒物屋、煙草屋、損料屋、場末の勧工場見るよう、狭い店のごたごたと並んだの....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
。堅豌豆ぬきの精進揚か、いや、そんなものは東海会社社長の船には積むまい。豆大福、
金鍔か。それは新夫人の、あの縹緻に憚る……麻地野、鹿の子は独り合点か、しぐれとい....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
梅に児供の時分から少し変っていたので、二葉亭を可愛がっていた祖母さんは「この子は
金鍔指すか薦被るかだ、」と能く人に語ったそうだ。(
金鍔指すか薦被るかというは大名....