金魚鉢[語句情報] » 金魚鉢

「金魚鉢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金魚鉢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
美少女」より 著者:太宰治
、裾《すそ》から煽風機が涼しい風を送ってよこして、私はほっと救われた。植木鉢や、金魚鉢が、要所要所に置かれて、小ざっぱりした散髪屋である。暑いときには、散髪に限....
虫干し」より 著者:鷹野つぎ
》のついた三本脚の黒塗の台に、硝子鉢が篏めてありましたが、父はそれを『ギヤマンの金魚鉢』と呼んでいました。 私は刀に少し触《さわ》ってみたり、文庫の中をのぞい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
四、五日を経て、わたしはこの間の礼ながらに赤坂へたずねてゆくと、老人は縁側に出て金魚鉢の水を替えていた。けさも少し陰って、狭い庭の青葉は雨を待つように、頭をうな....
如是我聞」より 著者:太宰治
る。それが、整然と見えるまでには、多少の混乱があるかも知れない。しかし、それは、金魚鉢に金魚|藻を投入したときの、多少の混濁の如きものではないかと思われる。 ....
蠅男」より 著者:海野十三
」 「なにがバッサリや。上から飛んで来たというのは、そらそこに滅茶滅茶に壊れとる金魚鉢やないか。なにを慌てているねん。二階から転げ落ちてきたのやないか」 「ああ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
り燈籠の追っかけっくらを見せられているようですよ。この分では今にお正月の床の間に金魚鉢でも飾るようになるかも知れませんね。いや、今の人のことばかり云っちゃあいら....
トカトントン」より 著者:太宰治
たのです。お笑いになってはいけません。いや、笑われたって、どう仕様も無いんです。金魚鉢のメダカが、鉢の底から二寸くらいの個所にうかんで、じっと静止して、そうして....
藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
科学知識の欠乏が原因の一つになっていたという話である。 忘れても二度と夏の夜の金魚鉢に木のふたをしないことである。 十六 野中兼山が「椋鳥には....
」より 著者:鷹野つぎ
く雨滴が滝となって流れ、やがて破れ、突風は私のベッドにまず一撃をあたえて、花瓶も金魚鉢も吹き飛ばした。私は濡れ鼠となったが、およそ雨を凌げる衣類や蚊帳までかぶっ....
火葬国風景」より 著者:海野十三
中から浮び上って来たのは一つの丸い硝子器だった。その形は、夜店で売っている硝子の金魚鉢に似ていたが、内部は空虚だった。 (金魚鉢なんだろうか?) と不審に思っ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
それが浜の石ころとわかればあまり人が羨ましがらないかも知れない。奥様の指の宝石が金魚鉢の中の石と同じものであっては、威張って見ることは出来ないかも知れない。しか....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
る。そこに、硝子の下と天井裏とに晧々と電灯が輝き渡っているんだから、早く言えば、金魚鉢を陽にすかして下から覗くようなもので、頭のうえに、光線を溶かして照明そのも....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
隈に出かけたことがあったけれども、その時の下宿屋街を歩いている井伏さんの姿には、金魚鉢から池に放たれた金魚の如き面影があった。 私は、その頃まだ学生であった。....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
今の商人にも、そのような良心が望ましいものである。 子供のころ金魚が好きでよく金魚鉢から金魚をすくい出してそれに赤い着物をきせたりし、母に見つかって大目玉を頂....
すいれんは咲いたが」より 著者:小川未明
金魚鉢にいれてあるすいれんが、かわいらしい黄色な花を開きました。どこから飛んでき....