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金鼓
「金鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
しうり》の女も日が近くば、桶はその縁《えん》の隅へ置いたが好《よ》いぞ。わ法師も
金鼓《ごんく》を外《はず》したらどうじゃ。そこな侍も山伏も簟《たかむしろ》を敷い....
「運」より 著者:芥川竜之介
いても、よく見えた。清水《きよみず》へ通う往来は、さっきから、人通りが絶えない。
金鼓《こんく》をかけた法師《ほうし》が通る。壺装束《つぼしょうぞく》をした女が通....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
信にせよ、信玄にせよ、天下麻の如くに乱れて、馬烟《うまげむり》や鬨《とき》の声、
金鼓《きんこ》の乱調子、焔硝《えんしょう》の香、鉄と火の世の中に生れて来た勝《す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あ、米友さんのことでございますか……」 と娘が答えた時に、大魔術の小屋で大太鼓と
金鼓《きんこ》の音がけたたましく、鳴り出しましたから、墓地の中の二人も、これに驚....
「三国志」より 著者:吉川英治
劉※は、聞くとすぐ、 「それッ」と、千余騎をそろえて、漠々と馳けはしって行った。
金鼓は地をゆるがし、またたく間に、ふもとの林へ近づいた。 太史慈と孫策とは、そ....
「三国志」より 著者:吉川英治
雲は紅々と城東の空にながれていた。同文の矢文が何十本となく射込まれたのを合図に、
金鼓の響き、喊の声は、地を震わし、十数万の寄手は、いちどに城へ攻めかかった。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
人間か」と、いった。 そのことばも終らぬまに、四面に銅鑼が鳴った。山地低地には
金鼓がとどろいた。 「さてはすでに、計をもうけて、われを陥さんと待っていたか」 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
れて、それに二十人、三十人と、死をものともせぬ兵が飛びのった。 波間にとどろく
金鼓、喊声につれて、決死の早舟隊は、無二無三、陸へ迫ってゆく。 或る者は、水中....
「三国志」より 著者:吉川英治
すであろうに、さてさて抜かったり」 そのことばが、まだ終らぬうちに、たちまち、
金鼓喊声、四山にこだまし、あたりの樹林みな兵馬と化したかの如く、四方八面に敵のす....
「三国志」より 著者:吉川英治
まわした。魏延の周囲にはもう味方の一兵も見えなかった。 するとたちまち、堂々の
金鼓、颯々の旗、一彪の軍馬は、野を横ぎって、冷苞勢の横を打ってきた。 「黄忠ここ....
「三国志」より 著者:吉川英治
縫いこみ、人々に送られて、古城の一門から外へまぎれ出た。 たちまち、暗夜の途は
金鼓鉄槍に鳴りひびいた。呉の大将|丁奉の部下が早くも見つけて追ってくる。それを城....
「三国志」より 著者:吉川英治
一と朝。 まだその日の来ないうちにである。暁闇をやぶって、城下の一方から旺なる
金鼓のひびきが寝ざめを驚かせた。何事かと、仰天して、物の具をまとうや否や、孟達は....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
俗法師の亜流である。少くとも室町時代文安の頃には、彼らは主として人屋の門に立って
金鼓を打ち、阿弥陀経を読誦するの仏弟子であった。彼らはもちろん妻子を蓄え、地方政....