釜無川[語句情報] » 釜無川

「釜無川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釜無川の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
たのそうな。主婦は朝飯の用意をしながら、細々と女の身上話を聞いた。 女は甲州の釜無川の西に当る、ある村の豪家の女であった。家では銀行などもやって居た。親類内に....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
幸にして、きょうは雨のために、この快味は総て失われた。が草木が洗われて、富士山と釜無川の大断層と、南アルプスや、関東山脈の高屏風に囲まれた日本最大の裾野が、大空....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
思いをしながら、ともかくも竜王村へ入って来ました。 竜王村へ入って村を横切ると釜無川《かまなしがわ》の河原へ出ます。信玄の時代に築かれたという長さ千間の一の堤....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《にらさき》から信濃境へ行く道とわかれて、有野から白根山脈の前面を圧するところ。釜無川につづく竜王松原の中、一歩、足を踏み入れたと思うと、人の呻《うめ》く声を聞....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を換えてお婆さんに贈り、そうして二人は、この教場を立ち出でました。天気が良くて、釜無川の沿岸から八ヶ岳の連峰が行手に聳《そび》えている。与八は歩きながら、お千代....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
には、秘密があろうと考えた。 「うむ、こいつあ甲州の地図だ。……ははあ、こいつが釜無川だな。……おおここに記号がある」 釜無川の川岸に朱で二重丸が入れてあった....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
、山女魚と岩魚が多い。|甲武信ヶ岳の密林から出てくる笛吹川、甲斐駒の肩に源を持つ釜無川、金峰山の本谷川、御岳昇仙峡の荒川など、何れも釣り人憧憬の渓である。ところ....
香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
る富士川に育つ鮎は、また素晴らしく大きいのである。 笛吹川は甲武信岳の方から、釜無川は甲斐駒の方から、峡中を流れて鰍沢で合し、俄然大河の相を具現して湲に移り潺....
冬の鰍」より 著者:佐藤垢石
、衣に波形の皺がよって――塩で食べれば大いにうまい。 甲州鰍沢の街は、笛吹川と釜無川と合して富士川になるのど口である。鰍沢というくらいであるから、昔は鰍が名物....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
日本にあるのであるが、甲府盆地という広い盆地を持っているために、水温が高かった。釜無川は韮崎付近までは冷たいまま流れてくるが、盆地へ出ると急に水が温んでしまう。....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
いるが、それでも三角の角度だけは、両方がおおよそ同じくらいである。これにはんして釜無川の岸にちかい信州境いの農家は、枌板をもって葺くものだから、東の郡内やそのつ....