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針の孔
「針の孔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
針の孔の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球図」より 著者:太宰治
って、ここであろう、見給え、と言いコンパスをさし立てた。みんな頭を寄せて見ると、
針の孔のような小さいまるにコンパスのさきが止っていた。通事のひとりは、そのまるの....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
はまあ、なんてみじめな野郎だったんでしょう。富める者の神の国に入るよりは、駱駝の
針の孔を通るかた反って易し。ほんにいい機会じゃござんせんか。明日からは、もう家の....
「二人の盲人」より 著者:平林初之輔
だった。眼に見えない力が、彼の咽喉《のど》を、これでもかこれでもかと締めつける。
針の孔《あな》ほどの狭い隙間から出入りする呼吸は、喉頭部の粘膜に摩擦して、ひいひ....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
我知らず云い出したるぎり挨拶さえどぎまぎして急には二の句の出ざるうち、煤けし紙に
針の孔、油染みなんど多き行燈の小蔭に悄然と坐り込める十兵衛を見かけて源太にずっと....
「赤い実」より 著者:小川未明
て糸の先が、針孔からぬけてしまったのです。お母さんは、新しい糸の先を指で細くして
針の孔にとおそうとなさいました。けれど、うまいぐあいに、糸は孔にとおらなかったの....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
場が刻まれ、其に沿うて十間か十五、六間|毎に三尺程の鉄の杭を打ち込み、杭の頭には
針の孔のように輪が造られて、夫へ彼の大きな岩から垂れ下げた鋼索が引き通されている....