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針線
「針線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
針線の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
。鳥打帽が寄席《よせ》の前に立っている。今晩の語り物が塗板に白くかいてある。空は
針線《はりがね》だらけである。一羽の鳶《とび》も見えぬ。上の静なるだけに下はすこ....
「門」より 著者:夏目漱石
《ちぢ》めて、ただ一つ所を見つめていた。降りる時、ひゅうという音がして、頭の上の
針線《はりがね》が鳴ったのに気がついて、空を見たら、この猛烈な自然の力の狂う間に....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
んづ》めにした声である。死ぬか生きるか娑婆《しゃば》か地獄かと云う際《きわ》どい
針線《はりがね》の上に立って身《み》震《ぶる》いをするとき自然と横膈膜《おうかく....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
襞のように、スレスレに切れたり、ボロボロに崩れたりしているのも、この石だ、それを
針線のように、偃松が幾箇処も縫っている。 急峻な登りを行く、雲は赤石山を包み隠....
「露肆」より 著者:泉鏡花
煙草を、と横に取って細いぼろ切れを引掛けて、のろのろと取ったり引いたり、脂通しの
針線に黒く畝って搦むのが、かかる折から、歯磨屋の木蛇の運動より凄いのであった。 ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
に注意して押分けて行って下の睾の膜皮を破ると前の通りな白い睾が見える。それを細い
針線《はりがね》の先の輪になったもので引《ひっ》かけて抜出せばモー安心さ。今度は....
「電信柱と妙な男」より 著者:小川未明
、 「ときどき怖ろしい電気が通ると、私の顔色は真っ青になるのだ。みんなこの傷口は
針線でつつかれた痕さ。」といいました。 すると、妙な男は急に逃げ出して、 「や....
「世間師」より 著者:小栗風葉
ぐらいの管にして、先を細く窄めて、元口へ木の栓をする。その栓から糸のような黄銅の
針線が管の突先までさしこんであって、管へ墨汁を入れて字なり何なり書くと、その
針線....