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「釣られる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釣られるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
とが起って来たからである。 ある日、豹一は突然校長室へ呼びつけられた。 「蛸を釣られる」のだろうと、度胸を決めて、しかしさすがに蒼い顔をして行くと、校長は、 ....
坑夫」より 著者:夏目漱石
の感じは憐れの極《きょく》全く怖《こわ》かった。 病人は二人に支えられながら、釣られるように、利《き》かない足を運ばして、窓の方へ近寄ってくる。この有様を見て....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
」「面白いな」と迷亭が云うと「うん面白い」と主人も一致する。 「まず女が同距離に釣られると仮定します。また一番地面に近い二人の女の首と首を繋《つな》いでいる縄は....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
であり、仲仕、人足らは八十銭の日賃銀をもらっていた。そしてその途方もない握り飯に釣られると、一円三十銭だけ、一昼夜でもらえるのであった! そして石炭の運賃はトン....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
住居《ずまい》の稼ぎ人が多勢居ることがわかるであろう。そんな連中が、こんな品物に釣られる程度に東京慣れしない田舎者で、しかも、懐《ふところ》具合いは割り合いにい....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
逢っていると殆んど変りが無いように思った。養蚕時が来れば、寺の本堂の側に蚕の棚が釣られる。僧侶も労働して、長い冬籠の貯えを造らなければ成らない。 山に....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
巻き上げるのですが、賭博場の景物には、皆春画を並べてある。田舎者が春画を見てては釣られるのです。この辺では屋台店がまた盛んで、卯之花鮨とか、おでんとか、何でも八....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
人にとっては、かなり迷惑なことであったでしょう。釣は釣る人の心を統一すると共に、釣られる魚の心を集中しなければならぬ。せっかくのところを、こうどたばたと駆けつけ....
放生津物語」より 著者:田中貢太郎
でしもうた、鮒になった男は、どうして元の人間になろうかと云うと、漁師の垂れた鉤に釣られるか、網に採られるかして、人間に料理してもらえば、元の人間になれると教えて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いと》を垂れると魚類が争って集まって参り、ぜひ道庵さんに釣られたい、わたしが先に釣られるんだから、お前さん傍《わき》へ寄っておいでというような具合で、魚の方から....
性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
の心を容れてくれるものが湛えられているように思われた。 私はその日もふらふらと釣られるように彼女の家の前までくると、家の内部は寂然として、気のせいか女の声らし....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
切源次郎に任せて、長次郎と金作とは岩魚釣りに出懸けた。こんな横好きで下手な連中に釣られる岩魚がいるだろうかとおかしくなる。私は一人で奥廊下を少し遡って見た。赤牛....
大岡越前」より 著者:吉川英治
、稼ぎはさッぱり上がらないし、厚化粧して、盛り場を歩いても、もうこんな年増には、釣られるような男もない。……ああ、考えると味気ない。女も、四十の声を聞いちゃあ、....