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釣り竿
「釣り竿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
釣り竿の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
現われて来た。その時葉子は木部が釣り道具を持っていないのに気がついた。
「あなた
釣り竿《ざお》は」
「
釣り竿ですか……
釣り竿は水の上に浮いてるでしょう。いまにこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は判らない。それから二日ほど過ぎて、安蔵の死体は川しもで発見された。かれが片手に
釣り竿を持っていたのを見ると、なにかの過失で足を踏みすべらせて、草堤から転げ落ち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て釣ったのさ」 「その釣り道具を見せてくれ」 半介はすぐに立って、奥の台所から
釣り竿と魚籠を持ち出して来た。 「おまえさん、まだわっしを疑っているね」と、彼は....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
恋人の忘れがたみを育てようというおつもり。」 ――そうでもないんだ。」 新吉は
釣り竿を引き上げ水中で魚にとられた餌を取りかえて、 ――兎も角、おれが巴里で始め....
「釣り師の心境」より 著者:坂口安吾
何もなくなっていた。 六月一日の鮎の解禁日に大いに釣ろうというので、三好達治は
釣り竿の手入れに熱中していた。橋の上から流れを眺めると、何百匹ずつ群れて走ってい....
「魔像」より 著者:林不忘
きの押入れを内部《なか》から開けて、のそりと立ち出でた異装の人物がある。家の中で
釣り竿《ざお》を担いでいるさえあるに、その挨拶がまた、恐ろしくサッパリしたものだ....
「飛沙魚」より 著者:佐藤垢石
、そのまま床から離れてしまう。 夏の朝であっても、三時ではまだ暗い。暗いけれど
釣り竿を持って川へ行く。川では、魚類もはや眼をさまして、私を待っているのである。....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
私は、わが上毛の国を佳国中の佳国であると思っている。私は若い時から旅行が好きで、
釣り竿一条を携えて、日本のあちこちを北へ南へ歩き回ってきた。昨年は夏から晩秋へか....
「桑の虫と小伜」より 著者:佐藤垢石
く棲んでいる。十一、二歳になる私の伜は、学校から帰ってくると、おやつを噛み噛み、
釣り竿を担いでその沼へ出かけて行った。ある秋の日、この小伜がその古沼から大きな鮒....
「父の俤」より 著者:佐藤垢石
ると、ゴツンと当たりがあった。びっくりするような強引な当たりである。 はじめて
釣り竿を持った幼い私に、余裕も手加減もあろうはずがない。当たりと一緒に、激しく竿....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
行った。小出、浦佐、堀の内を中心として八月中旬過ぎには丸々と肥った大きな鮎が、友
釣り竿を引き絞るようにして掛かってくる。その支流の破間川の鮎は一層麗容に恵まれて....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
月なかばの、小春日和ともいうべき暖かい日でして、私たちは午後の陽光を浴びながら、
釣り竿を担いで色々の話に笑い興じ、元気のよい歩調で野道を歩いてゆきました。 す....