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釣上げ
「釣上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
釣上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
やる。母のことだから、 「オヤ異《おつ》なことを言うね、も一度言って御覧」と眼を
釣上げて詰寄るだろう。 「御気《ごき》に触《さ》わったら御勘弁。一ツ差上げましょ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
小賊《しょうぞく》どもの手に松葉燻《まつばいぶし》となる処《ところ》――樹の枝へ
釣上げられ、後手《うしろで》の肱《ひじ》を空《そら》に、反返《そりかえ》る髪を倒....
「鮨」より 著者:岡本かの子
来た。 自分の店の客の新陳代謝はともよは口をちょっと尖らし、片方の肩を一しょに
釣上げて 「困るわそんなこと、何とも返事できないわ」 という。さすがに、それに....
「火の唇」より 著者:原民喜
が、彼の眼は真さかさまに上を向いていて、墜落してゆく体と反対に、ぐんぐん上の方へ
釣上げられてゆく。絶叫もきこえない。歓声も湧《わ》かない、すべては宙に浮んだまま....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
しか額に芋※《いもむし》ほどの青筋を張らせ、肝癪《かんしゃく》の眥《まなじり》を
釣上げて唇《くちびる》をヒン曲げている。 「イエサ何とお言いだ。出来た事なら仕様....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
二つは、私の少年時代を哺育した道場であった。 八月――日。畑に植えた長糸瓜は、
釣上げられた鰻のように、長いからだをだらりと棚からぶら下げている。地べたとすれす....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
てて、浦子は思わず枕許へすッくと立ったが、あわれこれなりに嫗の針で、天井を抜けて
釣上げられよう、とあるにもあられず、ばたり膝を支くと、胸を反らして、抜け出る状に....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
頬に、薄目を開けて、片目で、置据えの囃子屋台を覗くように見ていたし、先隣なのは、
釣上げた古行燈の破から、穴へ入ろうとする蝮の尾のように、かもじの尖ばかりが、ぶら....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
食べたくなった時には、いつでもおじいさんが糸を投げ込んで、もとの村人達の五六尾も
釣上げればいいんですよ!』 『ああ!』ボーシスは身ぶるいしながら叫びました、『わ....
「新年雑俎」より 著者:寺田寅彦
さに関するものは、着馴れぬ絹物の妙につめたい手ざわりと、穿きなれぬまちの高い袴に
釣上げられた裾の冷え心地であった。その高い襠で擦れた内股にひびが切れて、風呂に入....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
程の力で突上げ、顫わせた。脣は、痙攣《けいれん》して、眼は大きく剥き出し、瞳孔を
釣上げてしまって、恐怖と、その苦痛とで、半分気を失っているような表情であった。
....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
が落ちた。左脇の下から右の肩上に掛ったと思うと、キュッと締められた。と早や一気に
釣上げられた。身は宙にぶら下った。 「先生、何んだって這んな真似をなさるの。どん....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
って行った。女は丁度其処へ来合わせた夜会服の柔和な老人を見ると急に軒昂として眉を
釣上げ ――へん、また一人イベットの御親類筋が来たな。 女はその老人の白髭に握....
「活人形」より 著者:泉鏡花
もひいひい泣きまして耳の遠い私でも寝られませんし、それに主公、二日もああして梁に
釣上げて置いちゃあ死んでしまうじゃございませんか。「ええ! そんなことはどうでも....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
……………牛王石 隠岐周吉郡東郷村……………………………………………………………
釣上げた石 岡山県 邑久郡裳掛村福谷…………………………………………………………....