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「釣人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釣人の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
四條河原の宿、水も砂も船も一いろの紅硝子のように斜陽のいろに透き通る明るい夕暮に釣人が鯊魚を釣っている広島太田川の宿。 水天髣髴の間に毛筋ほどの長堤を横たえ、....
蟇の血」より 著者:田中貢太郎
親しみを持っていた浮根へ往って腰をかけながら下流の方を見た。薄い鈍い陽の光の中に釣人達は絵に画いた人のように黙黙として立っていた。彼はさっきの女のことをちょっと....
魚玄機」より 著者:森鴎外
した詩はこうである。 賦得江辺柳 翠色連荒岸。 烟姿入遠楼。 影鋪秋水面。 花落釣人頭。 根老蔵魚窟。 枝低繋客舟。 蕭々風雨夜。 驚夢復添愁。 温は一|誦し....
白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
られている卓子の方へ行って茶を飲むでもなく、釣竿を借りてきて楽しむでもなく、また釣人たちの方を見てるのでもありませんでした。時間を忘れたように長い間じっとしてい....
桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
えてから、云った。 「去年の十月はじめごろ、二十円のカタにセーターをぬいで渡した釣人を覚えていないかね」 その瞬間にまさしく野村も見たのである。木戸の云った例....
荒磯の興味」より 著者:佐藤惣之助
、ヒラマサ、秋も略同様なものが、三間から四五間の長竿で釣れるのであるから、近代の釣人がその強引にあこがれて、遠く出釣するのも無理はない。船でサヨリの掛釣とか、そ....
水垢を凝視す」より 著者:佐藤垢石
る。これ等のことも、鮎自身でなければ判らぬ領分だ。といってて棄て置いちゃ、上手な釣人にはなれぬ。 餌のことに疑問を持てば究りがない。その究りないところに深い興....
鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
職業漁師でも遊釣人でも、鯛といえば、真鯛を指すのが常識である。真鯛に色、形ともによく似ているの....
食道楽」より 著者:村井弦斎
はその土地の魚に限るのでイナや鰡が品川湾に来ている時分は盛《さかん》に餌を食べて釣人《つりて》に取られる位ですから腸が臭くってとても食べられません。品川湾から段....
幼年時代」より 著者:室生犀星
に心が躍るのであった。 瀬はたえずざあざあーと流れて、美しい瀬波の高まりを私達釣人の目に注がす。そこへ毛針を流すと、あの小さい奴が水面にまで飛び上って、毛針に....