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「釣台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釣台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ることでもないので、それ/″\に手当をして送り帰しましたが、三河屋と伊丹屋からは釣台をよこして子供を引取ってゆくという始末。どちらの親たちも工面が好いので、出来....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
の臭いが眼にしみるようです。病人は避病院へ送られるらしく、黄いろい紙の旗を立てた釣台も来ておりました。なんだか怖ろしくなって、わたくしは早々に内へ逃げ込んでしま....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
急報に接して飛んで往った次郎さんの阿爺も、間に合わなかったそうである。夜にかけて釣台にのせて連れて来て、組合中の都合で今日葬式をすると云うのである。 新五郎さ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
分には、市五郎の駕籠が提灯で隠れるほどに見送りがついて参りました。 その翌日は釣台が幾台も市五郎の宅まで運ばれ、羽織袴で親類や総代が、市《いち》の立ったほどに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「里帰りといえば、これからあの八幡村まで帰るのか」 「左様でござんす、お馬やら釣台《つりだい》やら、あとからあの通り続いて参りますが、なんでも御旧家のこと故、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、突立上りますのに勢づいて、お産婦を褥のまま、四隅と両方、六人の手で密と舁いて、釣台へ。 お先立ちがその易者殿、御幣を、ト襟へさしたものでござります。筮竹の長....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
来たんじゃないの」 しかも、乗込んで来たその主《ぬし》の乗物というのは、一肩の釣台でした。 戸板へ畳を載せて、その上へ荒菰《あらごも》を敷いたばかりの釣台の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の翌日、かいがいしく働いているお吉を、いとど怪しく思わせたのは、その日に、荷車や釣台がかなり賑わしくこの屋敷へ着いて、一応の案内を申し入れると共に、無雑作にその....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
り、祖式松助がある。 そこで、彼等は一気に江戸まで押し通すや否や、竹刀と道具を釣台に舁《かき》のせて、麹町九段坂上三番町、神道無念流の師範斎藤篤信斎弥九郎の道....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の五体の上へ、眼と口だけを残して覆いかけました。 そうして、一ぷくしている間に釣台が出来たものですから、すっかり元気を回復した被害者を、ともかくそれに載せて、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
夜通しの旅であったことを想わせ、その人たちが、真中にして担《かつ》いで来たものが釣台であり、戸板であるのに、蒲団《ふとん》を厚くのせていることによって、これは急....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
げ》なるものの口の端《は》にものぼらない先に、この宝物の御動座がなければならぬ。釣台にのせられて、これが非常な警護をもって、仙台より城内へ運び去られたのは久しい....
家なき子」より 著者:楠山正雄
メン、おまえ見たかい」 「ぼくよく知ってるよ」ともう一人の子が答えた。「あの犬は釣台のあとからついて行った。首を垂れてときどきたんかにとび上がった。下にいろと言....
式部小路」より 著者:泉鏡花
客が、かく亡き俤に対するごとき、言語、仕打を見ても知れよう。その入院した時、既に釣台で舁がれて来た、患者の、危篤である事はいうまでもない。 「実はその人を歎美し....
すみだ川」より 著者:永井荷風
た代りに、それよりも、もっと意外な災難にびっくりしてしまった。甥《おい》の長吉が釣台《つりだい》で、今しも本所の避病院《ひびょういん》に送られようという騒《さわ....