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「釣合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釣合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
云う階級の一人ではないかと思われる。が、それにしては着ている茶の背広が、何となく釣合わない。 僕は、暫く、この男の方をぬすみ見ながら、小さな杯《さかずき》へつ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
世に現わさず、 フォエベの鎌はまだ望月と成らざりき。 地は未だ今のごとく、 己と釣合いて空際に浮ばず またアムフィトリートの腕は未だ我が物と 遠く広がる国々の果....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
窄しく見えたことであったか。流石に沈着剛毅な海軍軍人たちもこの明かな数量の上の不釣合に重苦しい圧力を感ぜずにはいられなかった。 勝敗は、何処へ行く? 愛....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
不足らしい腫《は》れぼったい瞼《まぶた》や、かさかさに乾いた黄色っぽい顔面とが不釣合に見えた。 (目賀野氏はもはや閣下ではない筈ですが……)と皮肉をいってやりた....
海底都市」より 著者:海野十三
のとおり、気味のわるい動く道路の上に乗った僕は、こんどは前よりも少しうまく身体の釣合をたもつことが出来るようになった。 その道々、僕はタクマ少年にいろいろと話....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
ように大きいのです。 モーニングの袖からも手らしいものが出ていますが、それが不釣合にも野球のミットのような大きさです。 いやもっと駭くことがあります。 そ....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
札に記してある。で、金屏風の背後から謹んで座敷へ帰ったが、上段の室の客にはちと不釣合な形に、脇息を横倒しに枕して、ごろんとながくなると、瓶掛の火が、もみじを焚い....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、もう声が引掛って、節が不状に蹴躓く。三味線の間も同一だ。どうです、意気なお方に釣合わぬ……ン、と一ツ刎ねないと、野暮な矢の字が、とうふにかすがい、糠に釘でぐし....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
て、道具は少し大きゅうがすが、背がすらりとしているから、その眉毛の濃いのも、よく釣合って、抜けるほど色が白い、ちと大柄ではありますが、いかにも体つきの嫋娜な婦で....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
に曲んだが、肩も横に、胸も横に、腰骨のあたりも横に、だるそうに手を組んだ、これで釣合いを取るのであろう。ただそのままでは根から崩れて、海の方へ横倒れにならねばな....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
竟それは善悪の霊と霊との争闘である。すべて世の乱れるのは、未発達なる霊魂の数が不釣合に多くなった時で、従って大きな戦争の直後は、人心の悪化が、特に目立ちて強烈で....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
が進行すると、時々低い声で唄を歌ったり、横に身体を動して、代わるがわる片方の足で釣合をとったりする。予期している結果を助手に話すこともある。 用が済むと、道具....
「汐くみ」の画に就いて」より 著者:上村松園
ございます。殊にこの画について心を用いた点は色調でございました。しかしいったいの釣合をとるためには、幾遍も素描をやり直しまして、自分自身でやや満足出来るものに致....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
だが、その鑑定を頼まれて確かなのが自分だって、按摩、(掌に据えて、貫目を計って、釣合を取って、撫でてかぐ。)……とそう云うんですッて、大変だわね。毛彫浮彫の花鳥....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
して、余りに簡単過ぎていた。 風采は私の想像と余りに違わなかった。沈毅な容貌に釣合う錆のある声で、極めて重々しく一語々々を腹の底から搾り出すように話した。口の....