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釣堀
「釣堀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
釣堀の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
は風通しの好さそうな場所を択んで、昼寝をしていた。房吉は時々出かけてゆく、近所の
釣堀《つりぼり》へ遊びに行っていたし、房吉の姉のお鈴は、小さい方の子供に、乳房を....
「幻談」より 著者:幸田露伴
訳です。唐の時は釣が非常に行われて、薜氏《せつし》の池という今日まで名の残る位の
釣堀《つりぼり》さえあった位ですから、竿屋だとて沢山《たくさん》ありましたろうに....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
をした事がありますかと失敬な事を聞く。あんまりないが、子供の時、小梅《こうめ》の
釣堀《つりぼり》で鮒《ふな》を三|匹《びき》釣った事がある。それから神楽坂《かぐ....
「私の個人主義」より 著者:夏目漱石
ども、兄が高圧的に釣竿《つりざお》を担がしたり、魚籃《びく》を提げさせたりして、
釣堀へ随行を命ずるものだから、まあ目を瞑《つむ》ってくっついて行って、気味の悪い....
「新生」より 著者:島崎藤村
う話になると、彼女の顔には若い母らしい特別な表情さえ浮んだ。
「へえ、その家では
釣堀《つりぼり》をやってるのかね。一つ鯉《こい》でも釣りに行くような顔をして、そ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
けの噴水が、白粉の禿げた霜げた姉さんの顔を半分に仕切って、洒亜と出ていら。そこの
釣堀に、四人|連、皆洋服で、まだ酔の醒めねえ顔も見えて、帽子は被っても大童と云う....
「河明り」より 著者:岡本かの子
な生洲がある。遊客の慰みに釣りをすることも出来るようになっている。 いま、その
釣堀から離れて、家屋の方へ近寄って来る、釣竿を手にした若い逞ましい男が、娘の瞳の....
「足迹」より 著者:徳田秋声
で、家だけは威勢よく駈け出したが、あまり気が進まなかった。一、二度来たことのある
釣堀や射的の前を通って、それからのろのろと池の畔の方へ出て見たが、人込みや楽隊の....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
鮒は本所深川の池、堀、別しては木場辺の浮き材木の上から釣るのなぞが獲物もよく、
釣堀は先ずその次である。但し堀江、猫実辺への遠出をすればこの上はないが、さるは充....
「この夏」より 著者:宮本百合子
風呂と食事はそこで出来ることなど。「思いがけないことには、テニス・コートと小さい
釣堀がある、コートはいいでしょう?」 私は、フダーヤの親切を大層うれしく感じた....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
と、間違った抗議をしたものだった。父は幼少のあたしを連れて、撃剣の会へいったり、
釣堀にいったり、政談演説会へいったりした。種々な名誉職をもって来られても、迷惑だ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
を、今更《いまさら》の如くつくづくと思知るのであった。 池のまわりは浅草公園の
釣堀も及ばぬ賑《にぎやか》さである。鰌《どじょう》と鮒《ふな》と時には大きな鰻《....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
案内状から削除するという意味ではあるまい……? 私たち二人は、よく行く、近くの
釣堀の方へと歩いた。樹木の茂った丘の崖下の低地の池のまわりには、今日も常連らしい....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
芝居のたまの休みにこゝへ来てぶら/\するほどいゝ心もちのものはねえ。」 「三浦の
釣堀と一対だ。」自分だけ田代はうなずいて「どうだ、そっちは? ――行ったかい、も....