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「釣殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釣殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:菊池寛
や、娘の鶴の前の姿がまばろしのように、胸の中に浮んでくる。それから、京極の宿所の釣殿や、鹿ヶ谷の山荘の泉石のたたずまいなどが、髣髴として思い出される。都会生活に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぎぼし》を磨き、誠に結構世に越えたり、十二間の遠侍《とほざむらひ》、九間の渡廊、釣殿、梅の壺、桐壺、まがき壺に至るまで、百種の花を植ゑ、守殿十二間につくり、檜皮....
源氏物語」より 著者:紫式部
めに、あとから来て帰って行こうとする大学生のあるのを聞いて、源氏はその人々を別に釣殿《つりどの》のほうでもてなした。贈り物もした。式が終わって退出しようとする博....
源氏物語」より 著者:紫式部
庭の池の間に中島の岬の小山が隔てになっているのを漕ぎ回らせて来るのであった。東の釣殿へはこちらの若い女房が集められてあった。竜頭鷁首の船はすっかり唐風に装われて....
源氏物語」より 著者:紫式部
露置きてくれなゐいとど深けれどおも ひ悩めるなでしこの花 (晶子) 炎暑の日に源氏は東の釣殿へ出て涼んでいた。子息の中将が侍しているほかに、親しい殿上役人も数人席にいた....
源氏物語」より 著者:紫式部
ら来るのでございますから、こちらはいくぶんよろしいわけでございます。馬場殿と南の釣殿などは危険に思われます」 などと主人に報告して、下人にはいろいろな命令を下....
源氏物語」より 著者:紫式部
たが、今日は青い色を上に臙脂を重ねさせた。今日の楽人三十人は白襲であった。南東の釣殿へ続いた廊の室を奏楽室にして、山の南のほうから舞い人が前庭へ現われて来る間は....
源氏物語」より 著者:紫式部
の少ない夕方に、薫の大将は衣服を改めて、今日退出する僧の一人に必ず言っておく用で釣殿のほうへ行ってみたが、もう僧たちは退散したあとで、だれもいなかったから、池の....
無月物語」より 著者:久生十蘭
は安房から出た砂金や、土産の鹿毛や、少からぬ土産があったので、泰文は保平の親子を釣殿に住ませ、下にもおかぬような歓待をしたが、側女の白女が曹司へ出てとりもちをし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
る。 さえぎる家臣は、見さかいもなく、薙ぎ払われ、蹴仆された。いちど、西廂から釣殿までを雷鳴のように暴れ廻っていた高時は、やがてまた、とって返して、 「楽屋は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
うけ、のっしのっしと、奥殿へ通って行った。 意外だった。 通されたのは一亭の釣殿で、かたのごとく酒肴は出たが、道誉好みの茶を強いるでもなく立花自慢や田楽舞の....
姫たちばな」より 著者:室生犀星
らぬものを、自分のまわりに感じ出した。 移し植えたあやめはとうに花をちぢらせ、釣殿近く鶯の声が老いて行っても、二人の男は通いつづめた。父の基経は永い間、ほとん....