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「鈴ヶ森〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鈴ヶ森の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
夜は特に調子が付いたとみえて、つづいて又話し出した。 「唯今お話をした大森の鶏、鈴ヶ森の人殺し……。それと同じ舞台で、また違った事件があるんですよ。まあ、ついで....
三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
した。 「ならば左の手を切れ」と刑部がいった。太刀取りの刀が閃くと、右衛門の手は鈴ヶ森の舞台で権八に切られた雲助の手のようになった。 「片手《てんぼう》でも命は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だろう。磔刑になる奴は裸馬に乗せられて、江戸じゅうを引き廻しになるんだ。それから鈴ヶ森か小塚ッ原で高い木の上へ縛り付けられると、突手《つきて》が両方から槍をしご....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ある。品川の方を受け持ちの子分松吉が帰って来て、こんなことを半七に報告した。 「鈴ヶ森の仕置き場のそばで死骸が見付かりました」 「男か、女か」 「二十一二の若い....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と種をあげられてしまったんだから、うろうろしちゃあ居られないんですよ。お前さん、鈴ヶ森で獄門にかけられて、沖の白帆でも眺めていたいのかえ」 「よしてくれ。聞いた....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
なりぬ。人皆いずれの道にも煙はのがれず、殊に不便はこれにぞありける。――これで、鈴ヶ森で火刑に処せられまするまでを、確か江戸中|棄札に槍を立てて引廻した筈と心得....
紅玉」より 著者:泉鏡花
司な奴、同じ事を不思議な花が薫ると言え。 三の烏 おお、蘭奢待、蘭奢待。 一の烏鈴ヶ森でも、この薫は、百年目に二三度だったな。 二の烏 化鳥が、古い事を云う。 ....
尼になった老婆」より 著者:田中貢太郎
出かけてまいりました。手前も門跡様がお着きになると云う日は、朝から渡世を休んで、鈴ヶ森の手前まで往って待ち受けておりました。ちょうど花の比で、陽はまだ高うござい....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
のであったが、死刑にするとなると藩邸で殺す事は出来ない。是非とも幕府の仕置場即ち鈴ヶ森か小塚ッ原でせねばならぬ。これは大変に手数がかかる事だから大抵は牢屋で毒を....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
りませぬ。其の昔罪人は日本橋を中央として、東国の者ならば小塚原へ、西国の者ならば鈴ヶ森でお仕置になりますのが例でございます。で、鈴ヶ森へ往く罪人ならば南無妙法蓮....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
えッたら帰られねえや、どうせ細った素首だから三尺|高い処へ板付になって、小塚原か鈴ヶ森へ曝された時に、あゝ好い気味だと云って笑って下せえ、其の代りに多助を抱いて....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
って名物の麦わら細工などを買った。そんなことで暇取って大森を出た二挺の駕籠が今や鈴ヶ森に近くなった頃には、旧暦の九月の日は早くも暮れかかって、海辺のゆう風が薄寒....
南国太平記」より 著者:直木三十五
なくてはならぬように感じていた。そして、身体を冷やしつつ、歩いた。 それでも、鈴ヶ森へかかって、海の鳴る音、波の打上げて来る響き、松に咽《むせ》びなく風と、雨....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
るから、かれに取っては確かに一段の出世であった。かれはここで河内山や由良之助や、鈴ヶ森の長兵衛や、寺子屋の源蔵や、紅葉狩の鬼女や、その得意の団十郎物をそれからそ....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
かせ徐行していたので、後から来る幾台もの自動車に追い越された。京浜国道を真直ぐに鈴ヶ森まで来た時、突然、ボッーンと物凄い音、アッと思う間に車体はガタゴト揺れ出し....