鈴懸[語句情報] »
鈴懸
「鈴懸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鈴懸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
も、日が暮れると、しばしば深い靄《もや》が下りる、十二月の初旬近くで、並木の柳や
鈴懸《すずかけ》などが、とうに黄いろい葉をふるっていた、ある雨《あま》あがりの夜....
「路上」より 著者:芥川竜之介
いた。
三十四
大井《おおい》は角帽の庇《ひさし》の下に、
鈴懸《すずかけ》の並木を照らしている街燈の光を受けるが早いか、俊助《しゅんすけ》....
「白」より 著者:芥川竜之介
唸《うな》ったと思うと、たちまち公園の中へ駈《か》けこみました。
公園の中には
鈴懸《すずかけ》の若葉にかすかな風が渡っています。白は頭を垂《た》れたなり、木々....
「雪後」より 著者:梶井基次郎
思った。信子は身|籠《ごも》った。 二 青空が広く、葉は落ち尽くし、
鈴懸《すずかけ》が木に褐色《かっしょく》の実を乾かした。冬。凩《こがらし》が吹い....
「生きている腸」より 著者:海野十三
とし、その前にちょっと外出してこようと考えた。 いつの間にか、秋はたけ、外には
鈴懸樹の枯葉が風とともに舗道に走っていた。だんだん寒くなってくる。彼一人ならばと....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
はあるいは僕の記憶に残った第一の作中人物かもしれない。それは岩裂の神という、兜巾
鈴懸けを装った、目なざしの恐ろしい大天狗だった。 七 お狸様 僕の家....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
上に、いま駅の前に一陣の突風が颯々と吹いているのであると見え、そこに植わっている
鈴懸けの樹の小枝が風のまにまにユラユラと動いているのさえ認められた。そうして見る....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
ように黒褐色に縮れ上がって、みじめに見すぼらしい光景を呈していた。丸の内の街路の
鈴懸の樹のこの惨状を実見したあとで帝劇へ行って二階の休憩室の窓からお堀の向こう側....
「○○獣」より 著者:海野十三
ちは今グウグウ睡っているのに、それに大東京の建物も街路も電車の軌道も黄色くなった
鈴懸けの樹も睡っているのに、それなのに敬二少年はなぜひとり目を覚ましているのだろ....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
向きあって路の右側に石の門と土塀の一部が残り、街路に面して二三本の半焼けになった
鈴懸の樹のある所があって、その門の敷石の上に、右の手と頭に繃帯をしたシャツに腹掛....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あがったのだ、以後は慎め」 と言いながら仏頂寺は、弁慶の兜巾を※《むし》り取り、
鈴懸《すずかけ》、衣、袴まで※り取ろうとする有様は、この弁慶の身体には危害を加え....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ございました。私は優さしい名前がよいと思いまして、さんざん考え抜いた末にやっと『
鈴懸』という名を思いついたのでございます。すると良人は私と意見が違いまして、それ....
「偽刑事」より 著者:川田功
店を出て四つ角を一つ通り越すと、大きな銀行の建物があった。周囲は広い余地を残し、
鈴懸の木立から思い出した様に枯葉が零れて居た。垣根と云うのは石の柱と、其を結び付....
「狐」より 著者:岡本かの子
非有想非無想処――大智度論 時は寛保二年頃。 この作中に出る人々の名は学者上りの若い浪人
鈴懸紋弥。地方藩出の青年侍、
鈴懸の友人二見十郎。女賊目黒のおかん。おかんの父。 ....
「女の怪異」より 著者:田中貢太郎
なって、すこしの間ではあるが人道と車道の区別をした広い街路には、その境界に植えた
鈴懸の葉に電燈の燈が映えていた。そこには街路の左右に各種の商品がならんでいた。菊....