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鉄丸
「鉄丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
れを打ち留め得と信ぜらると(ロイド、前出一五)。以前は熊野の猟師みな命の弾丸とて
鉄丸に念仏を刻み付けて三つ持ち、大蛇等|変化《へんげ》の物を打つ必死の場合にのみ....
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
、世界は彼にとってそのとき以来一変したのである。爾後《じご》、餓《う》うるときは
鉄丸を喰《くら》い、渇《かっ》するときは銅汁を飲んで、岩窟《がんくつ》の中に封じ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
より早く、博士の膝から跳ね下りた。ミルキ閣下は、髭の中から大きな両眼をむきだし、
鉄丸のような拳を振り上げながら、 「どうも結構な場面を拝見するものだ。法令では大....
「親子」より 著者:有島武郎
だ。 彼は何も言うことができなくなってしまった。「よしやり抜くぞ」という決意が
鉄丸のように彼の胸の底に沈むのを覚えた。不思議な感激――それは血のつながりからの....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
合わぬ奴には※とはすなわち足枷である。それでもまだこたえぬ奴には、一二貫目もある
鉄丸を背負わせるとのこと。 賞としては一週間に一度か二度か食事に別菜がつく。そ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
エヲクネクネト四百メートルモ彎曲シ、アレヨアレヨトオドロクウチ、口ヨリ火ヲフキ、
鉄丸ヲトバシ、ワガ船ハクダカレ、全員ハ傷ツキ七分デ沈没シタ。カタキヲタノム。ノチ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た、そして言った。
「あなたは大変苦しんだのですね。」
「おお、赤い着物や、足の
鉄丸や、板の寝床や、暑さ、寒さ、労働、囚人の群れ、打擲《ちょうちゃく》! 何でも....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
・プレーさ。」 一人がやってる間、二人は遊んでおられるが、別に話すこともなく、
鉄丸の行方を皆の眼が見つめていた。 みよやが静かにはいって来た。 「お嬢さまに....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
きましたね。かなり巧妙な方法でした。夜光塗料の品物でなしに、まず四ポンドぐらいの
鉄丸と音響仕掛けの道具を投げたんですね。
鉄丸の落下音も相当なものでしたが音響仕掛....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
崖を、一飛びに、登った。その刹那
「馬鹿っ」
小太郎は、声と、身体とを、一つの
鉄丸のように、月丸へ、叩きつけた。月丸は、草の中へ、仰向きに、ぶっ倒れた。
「....
「三国志」より 著者:吉川英治
埋伏の計が、果然、図にあたったのである。 天地も裂くばかりな轟音となって、矢石
鉄丸を雨あられと敵の出足へ浴びせかけた。側面攻撃に出た曹軍の夏侯惇、曹洪の両大将....
「三国志」より 著者:吉川英治
な武器をたずさえて吠えかかってきた。それは驚くべき腕力と錬磨の技をもって、二つの
鉄丸をこもごも抛げつけ、まず相手の得物をからめ取ろうとする戦法だった。 「しまっ....
「三国志」より 著者:吉川英治
した背中へ、たちまち、流星鎚を叩きつけられたのである。 流星鎚というのは、重い
鉄丸を鎖につけた一種の分銅なのだった。王双はこれを肌身に数個持っていて、ここぞと....