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「鉄分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄分の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
一の滝下および三の滝上で浅い急流底の岩面が血を流したように赤きを見最初はその岩に鉄分ある故と思うたが念のため採り帰って精査するとヒルデプランチア・リヴラリスてふ....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
直方の町は明けても暮れても煤《すす》けて暗い空であった。砂で漉《こ》した鉄分の多い水で舌がよれるような町であった。大正町の馬屋と云う木賃宿に落ちついたの....
オンチ」より 著者:夢野久作
方法さ」 「この火の海のですか」 「ウン……この※の中には最小限七パーセント位の鉄分を含んでいる。この中から純粋の鉄を取るのは、非常に面倒な工程が要るので、こう....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
によって癒されるしかないことを思い、まことに隔靴掻痒《かっかそうよう》の感です。鉄分とカルシウム分の減退は著しいのだから、どうかどうかその点を御注意下さい。バタ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
云えば、私の今日の手はすこし鉄さびやら蕗の渋やらがついています。うちの水はひどい鉄分で、アルミニュームのやかんにすっかり赤さびがついて湯の出がわるいわるいとお母....
食道楽」より 著者:村井弦斎
血肉は一斤弐十八銭、肉絞器械は上等にて六円五十銭なり。 ○牛肉の血の紅き色は多く鉄分なり。菓物の紅き色桃杏イチゴ等は皆な多く鉄分なり。故に人体に功あり。 第三....
食道楽」より 著者:村井弦斎
報告がないので精密に分らんけれども、我邦《わがくに》の茄子は鞣酸《じゅうさん》や鉄分を含《ふくん》でいると同時に一種の強い興奮性がある。殊《こと》に秋口になって....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
りました。染めに特色があって、「てえち木」と称する樹の皮を煎じて染め、更にそれを鉄分の多い泥土に漬けて染め上げます。それは黒ずんだ美しい茶褐色を呈します。模様は....
食道楽」より 著者:村井弦斎
は飲水《のみみず》を入れておきますがその水の中へ釘の折れとか鉄の屑を入れておくと鉄分が鶏の薬になります。折々は青菜《あおな》の柔い草を与えなければなりませんし、....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
をそういう人間でないもののカモに譬えたのである。この地方の人の話に、杉菜の根には鉄分が寄って、後に小さな円筒形に朽ち残って溝などに落ちていることがある。それを河....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
いるのだ。 たまたま下の洗面所に顔でも洗いにゆくと、目に入るものは、赤錆いろの鉄分の強い坪ばかりの池の水と、萎えきって生色のない八つ手の一、二本である。 ....