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鉄板
「鉄板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄板の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
にねじこむと、こそこそと入り口に行って長靴をはいた。靴の皮は夕方の寒さに凍って、
鉄板のように堅く冷たかった。 雪は燐のようなかすかな光を放って、まっ黒に暮れ果....
「階段」より 著者:海野十三
に聳え立つ幅のせまい螺旋階段であった。それはわずかに人一人を通せるほどの狭さで、
鉄板を順々に螺旋形にずらし乍ら、簡単な手すりと、細い支柱で、積み重ねて行ったもの....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
心臓より反対に左によった箇所を真正面から打たれているのですから、これは弾丸が、鋼
鉄板を打ち破り尚も物凄い勢いをもって被害者の胸を刺すことにならねば出来ない相談で....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
マルモ隊員がつけている空気服みたいにすんなりとしたものでなく、わら人形のからだに
鉄板《てっぱん》をうちつけたような感じのするものだった。そしてその
鉄板は、横へ長....
「火星兵団」より 著者:海野十三
やがて、
「あっ!」
という間に、ピート大尉の乗ったロケットは、氷の塊が熱した
鉄板の上に置かれた時のように、外がわからどろどろととけ出した。
どろどろととけ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
。この通風筒というのは、煙管の雁首の化物みたいな、風をとおす大きな筒です。それは
鉄板でできていましたが、それがまるで大風にふきとばされたようにひん曲り、しかもそ....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
らけの老人紳士があった。 「うふふふ、これはすごいことになったぞ。三センチもある
鉄板が、ボール紙を水につけたようにとけてしまった。とてもおそろしい力だ」 「おい....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
る。 隊員はと見れば、なにか缶詰や酒壜のようなものをおもいおもいにぶらさげて、
鉄板のやぶれ穴からやぶれ穴へ、かにのように、はいまわっている。リーロフ大佐きたる....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
て空中に舞い上る。煙突が半分ばかり、どこかへ吹きとばされる。何だか真黒い木片だか
鉄板だか知れないものが、無数に空中をヒラヒラ飛んでいる。 「作戦は図に当ったぞッ....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
間の鋼鉄張の胸に、耳を押しつけてみた。すると愕いた事にヒヤリとするだろうと思った
鉄板が生暖く、そしてその
鉄板の向うにギリギリギリという何か小さい器械が廻っている....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
フランクはついにピストルの引金をひいた。 印度人の魂ぎる悲鳴――空をつかんで、
鉄板の上に倒れた。 「あ、仲間を殺したな。それ」 残りの印度人は、鬨の声をあげ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
な、身動きのならんその形がそうだったんです。…… 段々|孤家の軒が暗くなって、
鉄板で張ったような廂が、上から圧伏せるかと思われます……そのまま地獄の底へ落ちて....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
あったとすれば益々電導体の液体であると言わなければならない。而も液体の容器は錫鍍
鉄板で出来ているバケツではないか。おお、この液面は大地電位に在る。この液面は接地....
「キド効果」より 著者:海野十三
声を耳にした者は、かなりにあった。 はッ――。 と思う間もなく、ガーンと厚い
鉄板を一つ叩きつけたような音がして、それに引続き遠くの彼方へ地震が動いてゆくよう....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。同市人口一万と称し、山麓の平陵に連なりて市街をなす。家屋は木造平家多く、屋根は
鉄板またはトタンぶきなり。物産は羊毛、羊肉を主とす。野外に青草を見るも、山上は雪....