鉄柱[語句情報] » 鉄柱

「鉄柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
行ってみると、僕は電気の事を詳しく知らないから十分の説明はできないが、一本の太い鉄柱を擁《よう》して数人《すにん》の人が立っていて、正作は一人その鉄柱の周囲を幾....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
彼にはまるで見当《けんとう》がつかない事になるのである。眼を走らせて、二本の赤い鉄柱の距離《みちのり》を目分量で測って見ると、一町には足りないくらいだが、いくら....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
だしたものであろう。 身体がヨロヨロと横へ傾いた拍子に、灯のついていない街灯の鉄柱がブーンと向うから飛んできたように思った。こいつは奇怪なりと、やッとそいつを....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
電が通じなかったからです」 三田村技手が言った。すると風間老人が、 「むこうの鉄柱からこの玻璃窓の前の手すりへはったアンテナが、大石のために切れてしまったから....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
見なくてもええ、仕事でもしやがれ!」 次の朝、雑夫が工場に下りて行くと、旋盤の鉄柱に、前の日の学生が縛りつけられているのを見た。首をひねられた鶏のように、首を....
旅愁」より 著者:横光利一
「あッ」と小さく唇を開けた瞬間の顔が眼に映った。人の散って行くホームに残った黒い鉄柱の足影が、過ぎゆくものの落した姿のようにさみしく朧ろに霞んだ。ホームの屋根の....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
るのかと思うと不思議なくらいの名所|図会的情景である。ただ遠い森の中にJOBKの鉄柱が漸く近代を示す燈台であるかの如く聳えている。 大阪の近代的な都市風景とし....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
で起って、そして消えて行きました。しんとしずまりかえった中に、風だけが街燈の高い鉄柱につきあたって、すさまじいひびきをたてるのでした。ネルロの足跡はこの町に入っ....
葛飾土産」より 著者:永井荷風
るのである。初に見た時、やや遠く雲をついて高地の空に聳《そび》えていた無線電信の鉄柱が、わたくしの歩みを進めるにつれて次第に近く望まれるようになった。玩具のよう....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
してそれは、なんという壮大さでしょう。 広々とした深い地下を掘り返して、縦横に鉄柱が峙ち、鉄梁や鉄筋が打ち込まれて、地下工事が施されているのです。しかも雨に打....
せいばい」より 著者:服部之総
別があったので、ひあぶりはもっぱら放火犯人にだけ課せられる慣わしであった。一本の鉄柱に鉄輪が二つつけてある。上の輪に両手、下の輪に両足を、鎖で結びつけ、四方に柴....