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「鉄梃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄梃の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒猫」より 著者:佐々木直次郎
、造作なくできるにちがいない、と私は思った。 そしてこの予想ははずれなかった。鉄梃《かなてこ》を使って私はたやすく煉瓦を動かし、内側の壁に死体を注意深く寄せか....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
戸口のところに約二、三十人の人が入ろうとしているのを見た。ついに銃剣をもって――鉄梃ではなく――その戸口をこじあけた。二枚門つまり両開き門になっていて、下にも上....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
げたものだが――。) そこで我々は絶えず彼女たちの唇をこじあけるために、一本の鉄梃を用意してセットへ向かうわけである。そうでもしないと彼女たちは堅く口を結んだ....
春昼」より 著者:泉鏡花
引掴むと、大きな口をへの字形に結んで見ていた赭ら顔で、脊高の、胸の大きい禅門が、鉄梃のような親指で、いきなり勝った方の鼻っ頭をぐいと掴んで、豪いぞ、と引伸ばした....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
、唇だけが冷え冷えしていた。 それから二日すると、セルゲイの両の手のひらには、鉄梃や重たいシャベルを使ったらしく、大きなマメが幾つもあらわれた。その甲斐あって....
イギリス海岸」より 著者:宮沢賢治
枚《まい》着《き》てみんなの泳ぐのを見ている三十ばかりの男が、一|梃《ちょう》の鉄梃《かなてこ》をもって下流の方から溯《のぼ》って来るのを見ました。その人は、町....