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「鉄棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
試験の噂《うわさ》などを、口まめにしゃべり交していた。すると今まで生徒と一しょに鉄棒へぶら下っていた、体量十八貫と云う丹波《たんば》先生が、「一二、」と大きな声....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
人が、皆影法師。 仲の町も水道尻に近い、蔦屋という引手茶屋で。間も無く大引けの鉄棒が廻ろうという時分であった。 閏のあった年で、旧暦の月が後れたせいか、陽気....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
子を外して持ち出します」 「えっ、なんだって」 応える代りに、彼等はスパナーと鉄棒とを使って、床にとりつけてあったナットを外し、卓子をもぎとり、椅子を引きはい....
紅玉」より 著者:泉鏡花
見れば真黒よ。人間が見て、俺たちを黒いと云うと同一かい、別して今来た親仁などは、鉄棒同然、腕に、火の舌を搦めて吹いて、右の不思議な花を微塵にしょうと苛っておるわ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
「あ、とうとうやってきたな」 先頭の印度人は、監守をなぐり殺したらしい血染の鉄棒をふりかぶって、フランク大尉に肉薄する。 「仇敵、英国人め。圧政にくるしむわ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、一筋、両側の家の戸を鎖した、寂しい町の真中に、六道の辻の通しるべに、鬼が植えた鉄棒のごとく標の残った、縁日果てた番町|通。なだれに帯板へ下りようとする角の処で....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
出る。それをも厭わない浅間しさで、児を抱いた洋服がやっと手を縋って乗掛けた処を、鉄棒で払わぬばかり車掌の手で突離された。よろめくと帽子が飛んで、小児がぎゃっと悲....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
みしも三百もん――ひけ過ぎだよ。あいあい。」 あっと呆気に取られていると、 「鉄棒の音に目をさまし、」 じゃらんとついて、ぱっちりと目を開いた。が、わが信也....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
たと思うと、一足|後れて、暗い坂から、――異形なものが下りて来た。 疣々打った鉄棒をさし荷いに、桶屋も籠屋も手伝ったろう。張抜らしい真黒な大釜を、蓋なしに担い....
多神教」より 著者:泉鏡花
二つの鬼に責められます。浅ましい、恥しい、裸身に、あの針のざらざら刺さるよりは、鉄棒で挫かれたいと、覚悟をしておりましたが、馬が、一頭、背後から、青い火を上げ、....
狂人日記」より 著者:秋田滋
置いてあるような按配に突立っていた。 私はそれを抜きとって戻って来た。そして、鉄棒でも振り上げるようにそれを振り上げ、その刄の方で釣師の頭をひと撃ちで割った。....
註文帳」より 著者:泉鏡花
行交う中に、薄く隠れ、鮮かに顕れていたのがすっかり月の夜に変った。火の番の最後の鉄棒遠く響いて廓の春の有明なり。 出合頭に人が一人通ったので、やにわに棒を突立....
活人形」より 著者:泉鏡花
ば、きらりと輝く照魔鏡に怪しき人影映りけるにぞ、はっと鏡を取落せり。 とたんに鉄棒|空に躍って頭を目懸けて曳! と下す。さしったりと身を交せば、狙い外れて発奮....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
なかった。 「透明人間のもう一つの弱いところは、凶器を持ってあるけないことです。鉄棒とかナイフとか、太いステッキのような物は、手ごろの武器……つまり凶器になりま....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
くように頼みに行った。ところが議論をつくし説得しているうちに、稲村君の持っている鉄棒が問題になり乱闘に発展した。 やがて不気味なふん囲気の中に大隈侯銅像前で学....