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鉄火
「鉄火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
いからこそ、見て貰うんです。さもなけりゃ、誰がこんな――」と、柄《がら》にもない
鉄火な事を云って、こちらも負けずに鼻で笑いました。けれども婆は自若として、まるで....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
てい》」の関東煮《かんとだき》、千日前|常盤座《ときわざ》横「寿司《すし》捨」の
鉄火巻と鯛《たい》の皮の酢味噌《すみそ》、その向い「だるまや」のかやく飯《めし》....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んぐ》ですからね。大きにご苦労でござんした。へえい。さ、ご自由に――」 ひどく
鉄火なことばつきで、わるびれもせずにのっそりと、白いふくらはぎを見せながら上がっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
正月も末の二十四日でした。風流人が江戸雪といったあの雪です。舞いだしたとなると、
鉄火というか、伝法というか、雪までがたいそうもなく江戸前に気短なところがあって、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いとのぞくと、玄関口になまめかしい女物のげたが一足見えるのです。 「客があるぞ。
鉄火な女だな」 「おどろいたね。げたを見ただけで、そんなことがわかるんですかい」....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
と溜の事を云う)の炉にまた噛りつきますような次第にござります。」と中腰になって、
鉄火箸で炭を開けて、五徳を摺って引傾がった銅の大薬鑵の肌を、毛深い手の甲でむずと....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
、妙な毛の生えた小さな肉片を、まるでジグソー・パズルでもする様な意気込んだ調子で
鉄火箸の先に挟んで持出して来ました。で、早速皆んなで突廻して鑑定している内に、検....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が、初めのうちは島びとがあつまって酒を飲むたびに、彼をその席へひき出して、焼けた
鉄火箸を彼の股へあてるのである。かれらはその苦しみもがくのを見て、面白そうに大い....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
った。日本にはない藻類《もるい》を採取研究のためにヨーロッパを歩いているうちに、
鉄火《てっか》の雨にうたれてしまったものらしい。 博士の細胞から発生した――と....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
繍に易え、油気少きそゝけ髪に極上々|正真伽羅栴檀の油|付させ、握飯ほどな珊瑚珠に
鉄火箸ほどな黄金脚すげてさゝしてやりたいものを神通なき身の是非もなし、家財|売て....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
りへ五月蠅きほどに集って来せる。それはまだ可い。が、何の禁厭か知れぬまで、鉄釘、
鉄火箸、錆刀や、破鍋の尻まで持込むわ。まだしもよ。お供物だと血迷っての、犬の首、....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
澄は声も立てず、呼吸さえせぬのである。 「ええ! ずぶてえ阿魔だ。」 と、その
鉄火箸を、今は突刺しそうに逆に取った。 この時、階段の下から跫音が来なかったら....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
うち、ここの内儀に目をつけた。四十ぐらいの、ちょッと渋皮はむけているが、外見だけ
鉄火めいてポンポン言いたがる頭の夥しく悪い女だ。善良な亭主を尻にしいて、棺桶に片....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
ているんですね」 「いやいやそれとは意味が異う。男へ引導を渡すような女だ、いずれ
鉄火に相違あるまい。そういう女をともかくも、占めたということは偉いではないか」 ....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
長庵それを聞くと、いまいましそうに唾を吐いたが、 「いや艶めかしい廓言葉と白無垢
鉄火の強白、交替に使われちゃどうにも俺ら手が出ねえ。一体お前は何者だね?」 「お....