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「鉄片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄片の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
茶の本」より 著者:岡倉覚三
はいってくる。茶釜は美しい音をたてて鳴る。特殊のメロディーを出すように茶釜の底に鉄片が並べてあるから。これを聞けば、雲に包まれた滝の響きか岩に砕くる遠海の音か竹....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
こと」を書く奴を、その「無茶なこと」を書く奴を、砂の中に交っていても、その中から鉄片を吸いつける磁石のように吸いつけなければならなかった。 三カ月すると、女工....
少年探偵長」より 著者:海野十三
せたまま、大地は横にすべっていった。 それは大仕掛な動く滑走路であった。細長い鉄片を組立ててこしらえた幅五メートルの滑走路で、動力によってこれはベルト式|運搬....
金属人間」より 著者:海野十三
から、蜂矢のたいせつにしていた茶釜の破片をつかみだした。 「だめだ。これはただの鉄片《てつへん》だ。おれがさがしている大切な十四番|人工細胞《じんこうさいぼう》....
怪塔王」より 著者:海野十三
いでしょうか。怪塔は、はたして檻の中の鷲のようになったでしょうか。なにしろ相手は鉄片をそばによせつけないという、不思議な力のある怪塔ですぞ。 怪塔王のさが....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
がある。缶をさかさまにすると、ごとんと掌のうえにころがり出たものは、ずっしり重い鉄片であった。その大きさは一銭銅貨ぐらいだが、厚さはずっと厚く、そして形はたいへ....
○○獣」より 著者:海野十三
は怪球の表面がゴム毯のようにすべすべしていないで、まるで鱗を重ねたように、小さい鉄片らしいものに蔽われ、それが息をするようにピクピク動くと、それに月の光が当って....
大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
らはこばれて来たので、市民のための食物はありあまるほどになりました。 赤さびの鉄片や、まっ黒こげの灰土のみのぼうぼうとつづいた、がらんどうの焼けあとでは、四日....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
とうとう堪えきれなくなって、私はいつしか切株から離れ、あたかも磁石に引かれる鉄片のように、一|歩良人の方へと近づいたのでございます……。 が、その瞬間、私....
不周山」より 著者:井上紅梅
は、その一つが眼を白黒してボンヤリと彼女を見詰めているのを認めたが、それは全身を鉄片で包み、顔色には失望と恐怖が表れている。 「今のは何ごとだね?」彼女は自ずと....
科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
ある。これを載せたる液面は良電導体である。若しこれがアベコベだったら鵜烏に小さい鉄片をつけて置いて、液中に電磁石をしのばせれば、電磁石の吸引力で鵜烏を水中に引っ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
の髪に喩えたのである。 歯止沓 車が坂を下る時車輪が滑らぬように輪底に取附ける鉄片または木片。 幽霊のように脊が高く この「脊が高い」という一語によって、侯....
剣侠」より 著者:国枝史郎
誘惑それを見ると、引かれまい、出まいと思いながら、その切先に磁気でもあって、己が鉄片ででもあるかのように、主水は思わず一歩出た。 陣十郎の刀が返った。 ハ―....
幸福に暮らした二人」より 著者:小川未明
持っていました。それは、竹槍や、たまたま海岸に打ち上げられた難破船に着いている、鉄片で造られた剣のようなものでありました。しかし、彼らはまだ、こんなにぴかぴか光....
宇賀長者物語」より 著者:田中貢太郎
者は室の内をあっちこっちと歩きだしました。 年とった僕が赤く焼いた火箸のような鉄片を持って出て来ました。握る処には濡れた藁縄を巻いてありました。長者はそれを受....