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鉄甲
「鉄甲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄甲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
大旗を揺り動かして歌った。照るともなく曇るともない空模様のうちに雨が降って来た。
鉄甲を冠り銃を肩にした警官隊が横町に塊っていたが、これは政府党の警官ではなくパリ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
そう言って、相手の体をなでまわしたが、さあたいへん、土管だと思ったのに、その先は
鉄甲のように、まるい。
「ぷく、ぷく、ぷく」
とたんに、その怪物は、うなった。....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
でも耐えねばならぬ、 ジープに轢かれた子供の上に吹雪がかかる夕べも耐え 外国製の
鉄甲とピストルに 日本の青春の血潮が噴きあがる五月にも耐え 自由が鎖につながれ ....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
は八百八十三呎、幅員九十二呎半、龍骨《キイル》から船橋までの高さ百四呎、八階の鋼
鉄甲板、二重船底、動揺を修正し安定を保つ彎曲艙骨《ビルジ・キイル》の装置、上下の....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
取り合って、闇雲に駆け出そうとすると、土堤の右手の壕《ほり》のようなところから、
鉄甲《てつかぶと》をかぶった水色羅紗の兵士が一人携帯電話機の受話器だけを持って跳....
「三国志」より 著者:吉川英治
に出合ったと思った。 二人の巨男を見るに、結髪を黄色の布で包んでいるし、胴には
鉄甲を鎧い、脚には獣皮の靴をはき、腰には大剣を横たえている。 問うまでもなく、....
「三国志」より 著者:吉川英治
近づきざま打ってかかろうとして来る容子。――いかにも凜々たるものであったが、その
鉄甲や馬装を見れば、甚だ貧弱で、敵の一歩弓手にすぎないと思われたから、 「下郎っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
れた。 多士済々、曹操の権威は、自ら八|荒にふるった。 彼の出入には、常に、
鉄甲の精兵三百が、弓箭戟光をきらめかせて流れた。――それにひきかえて、故老の朝臣....
「三国志」より 著者:吉川英治
つけ!」 その夜の許都は、真赤だった。 前後両営の官軍二十万、馬はいななき、
鉄甲は鏘々と鳴り、夜が明けてもなお陸続とたえぬ兵馬が黎陽をさしてたって行った。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
へ参るもの、門をひらいて通されい」 聞くやいなや、 「すわ、来たぞ」と、鉄扉と
鉄甲はひしめいた。 洛陽の太守|韓福は、見るからにものものしい扮装ちで諸卒のあ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ずか二十騎ばかりに守られながら東門から駆けだして来た。 すると、道の傍らから、
鉄甲五、六騎ばかり、不意に黄祖の横へ喚きかかった。甘寧は先手を取られて、 「誰か....
「三国志」より 著者:吉川英治
どろいた。たちまちに見る前面、後方、ふた手に分れて来る雪か人馬かと見紛うばかりな
鉄甲陣。そのまっ先に進んでくるのはまぎれもなし、青龍の偃月刀をひっさげ、駿足|赤....
「三国志」より 著者:吉川英治
何も知らない司馬懿仲達は、数万の兵を従えて安邑の町へ入ってきた。するとたちまち、
鉄甲の装備も物々しく、曹休の一軍がこれを道に阻んで、 「通すことはならん」 と....
「三国志」より 著者:吉川英治
放つと、十|矢ずつ飛ぶのである。 また大連弩は、飛槍弦ともいい、これは一槍よく
鉄甲も透し、五人掛りで弦を引いて放つ。べつに、石弾を撃つ石弩もある。 輜重には....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ただ狂える物のようでありながら、尊氏の行く一勢のみは、それを中心に、続々と、騎馬
鉄甲の影が厚くなって行くばかりだった。――おそらくは尊氏自身すらも、こう急激に凱....