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鉄砧
「鉄砧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄砧の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
と渦巻く姿を見せた。仕事場の鞴《ふいご》の囲《まわ》りには三人の男が働いていた。
鉄砧《かなしき》にあたる鉄槌《かなづち》の音が高く響くと疲れ果てた彼れの馬さえが....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
人の男が何事をかひそひそと話しあっているのを。鉄蹄《てってい》の真赤になったのが
鉄砧《かなしき》の上に置かれ、火花が夕闇を破って往来の中ほどまで飛んだ。話してい....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
れた。あの嗚咽する琵琶の音が巷の軒から軒へと漂うて勇ましげな売り声や、かしましい
鉄砧の音と雑ざって、別に一|道の清泉が濁波の間を潜って流れるようなのを聞いている....
「初蛙」より 著者:薄田泣菫
慢の蛙は、フランス人のように鯱子張って、一足も踏出そうとしません。まるで鍛冶屋の
鉄砧のようだったと言います。お蔭で男は賭けた金で懐を膨らませて帰りました。 ス....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》りの漂浪生活の前に、二三のジプシー族の若者が鍛冶屋《かじや》をしている。盛んに
鉄砧《かなしき》を叩いているところへ、同じ種族の一人の子供が糸の切れたギターを持....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
猫と仲よく遊べる、茅屋の軒先には羽虫の群れ輪をなして飛ぶが夕日に映りたる、鍛冶の
鉄砧の音高く響きて夕闇に閃く火花の見事なる、雨降る日は二十ばかりの女何事をかかし....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
……。家の外には、真向《まむ》かいの鍛冶《かじ》場で蹄鉄《ていてつ》を鍛える音、
鉄砧《かなしき》の上に落ちる金槌《かなづち》のとんちんかんな踊り、鞴《ふいご》の....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
のだ。 何でも、ドイツかイタリーの音楽に「鍛冶屋」というのがあって、トントンと
鉄砧を叩く、それからヒントを得たと言っていた。そういうふうにして、安藤君の作品が....