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「鉄砲虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄砲虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ることを聞いた。 晩の乳を配達する用意が出来た。Sの兄は小諸を指して出掛けた。鉄砲虫 この山の上で、私はよく光沢の無い茶色な髪の娘に逢う。どうかすると、灰色....
石狩川」より 著者:本庄陸男
蛇の鎌首《かまくび》のように突っ立つ。人差指は、材木に巣喰《すく》って肥え太った鉄砲虫のように見える。そのとき彼の前では、自分の五本の指が全然別な生きものとして....
我に叛く」より 著者:宮本百合子
ゃないの」 ゆき子は、窮屈に首を廻して外を見た。なるほど、庭にある大抵の紅葉は鉄砲虫に髄を食われて一年増しに貧弱な枝振りになっている中に、その樹ばかりは、つや....
雨と子供」より 著者:宮本百合子
供の遊ぶ部屋の前には大きい半分埋まった石、その石をかくすように穂を出した薄、よく鉄砲虫退治に泥をこねたような薬をつけられていた沢山の楓、幾本もの椿、また山桜、青....
美醜」より 著者:豊島与志雄
ている。 第三はカミキリ虫だ。私はこの虫のことを悲しく思う。カミキリ虫の幼虫は鉄砲虫である。樹幹にくい入って穴をあけ、遂にはその樹を枯してしまう。樹を愛する心....
台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
このギイギイ鳴る音の本体は、木材の中に住んでる虫であった。立木のしんをかじる鉄砲虫の幼虫のことは私も知っている。その幼虫に似た虫だそうだが、柱や家具などの乾....
抵抗のよりどころ」より 著者:三好十郎
が立っています。雨がふればぬれるし風がふけば揺れうごきます。子どもがよじ登っても鉄砲虫が幹をかじっても、はらい落すことはできません。目に見える抵抗は一つもしませ....