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鉄蹄
「鉄蹄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄蹄の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
っているその黒い影の横のほうで二三人の男が何事をかひそひそと話しあっているのを。
鉄蹄《てってい》の真赤になったのが鉄砧《かなしき》の上に置かれ、火花が夕闇を破っ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は自然力其ものである。一触してタイタニックを沈めた氷山である。華麗な羅馬の文明を
鉄蹄に蹂躙した北狄蛮人である。一切の作為文明は、彼等の前に灰の如く消えて了う。
....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
隊長は退屈で堪まらなかった。聞えるものは終日、油のきれた輜重車の軋みと、ひき馬の
鉄蹄と、鞭と、兵卒の怒号と、苦力の怒罵とであった。それが更に濛々と立ち罩め、吹き....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る時などは、一種の迷信的の恐怖のために、総身に寒さを覚えました。またある時は馬の
鉄蹄が石を蹴って、そこらに撒き散らす火花の光りが、あたかも火の路を作ったかと疑わ....
「愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
も構わない。 然しその時彼の頭に浮んだ馬は、胴の毛と尾とを短く刈り込み、足には
鉄蹄をつけ、鬣を打って嘶く、逞しい乗馬ではなかった。惨めな老いた駄馬であった。身....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
あるか、気の長い)
と、じりじりしてきた。
人通りの無い、灼熱した街道に、
鉄蹄をかつかつ反響させて、小走りに馬が、近づいて来た。誰か、乗っているにちがいな....