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鉄錆
「鉄錆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄錆の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
変らず、はしッこそうな、キラキラした目付きをした長崎屋、結城縞《ゆうきじま》に、
鉄錆《てつさび》いろの短羽織《みじかばおり》という、がっちりとしたなりで、雪之丞....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
た。そのマシン油たるや、充分に運転しているジャックハムマーの、蝶バルブや、外部の
鉄錆を溶け込ませているのであったから、それは全く、雪と墨と程のよい対照を為した。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
り、よろめきさがるもの、地に伏さって鬼哭《きこく》を噛《か》む者。
飛肉骨片。
鉄錆《てつさび》に似た生き血の香が、むっと河風に動いて咽《む》せかえりそう……お....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
る。
いま、部屋の中に罩《こ》もっているのは、むっと咽《む》せっかえるような、
鉄錆《てつさび》に似た人血のにおい……一党は、手さえ血でべとべとしている。
こ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
所々に林がある。それにさえほとんど青色がなく、幹は白ちゃけて骨のように見え、葉は
鉄錆て黒かった。どっちを眺めても農夫などの、姿を見ることは出来なかった。 丁寧....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
痛《つ》うっ――」 ともう、一人はどこか斬《や》られたらしい。 生き血の香は
鉄錆《てつさび》のにおいに似ている。そいつがぷうん! と鼻をかすめるのだ。 「深....
「おせん」より 著者:邦枝完二
売の土平だった。 「ふふふふ。飴も買わずに、おせん坊へ突ッ走ったな豪勢だ。こんな
鉄錆のような顔をしたおいらより、油壺から出たよなおせん坊の方が、どれだけいいか知....
「塩鮭・塩鱒の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
村僻地にも行き渡っている品で、一尾百円か、大きくても二百円くらいのものであろう。
鉄錆を見るように真っ赤になった塩ます、これがますの中でも一番美味いようである。さ....
「ダルマ船日記」より 著者:山之口貘
、三十五歳。生れは深川。 まるで、老人みたいな風貌だ。無数の皺の合間合間には、
鉄錆びが汚みついている。艫には船室があって、三畳敷位。そこに船頭さんと僕とが一緒....